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投稿日: 2023.11.01 22:25
更新日: 2023.11.01 22:44

【ブログ】最終戦鈴鹿でのチャンピオン獲得以外のドラマ/カメラマンから見た全日本ロード

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Blog | 【ブログ】最終戦鈴鹿でのチャンピオン獲得以外のドラマ/カメラマンから見た全日本ロード

 毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。今回は10月14~15日に開催された第8戦鈴鹿MFJ-GPです。

* * * * * * *

うだるような暑さの、長かった夏が終わり、すっかり秋の気配となっています。
コロナ罹患からの復帰後、全日本ロード岡山ラウンドから鈴鹿ラウンドまで毎週末サーキットで過ごした怒涛のレースウイークもついに終わりです。
と、同時に、今シーズンの全日本ロード最終戦を迎えてセンチな気分です(死語?)
私はまだ地方選手権や他のカテゴリーが残っているので、今シーズンはまだ続きますが、全日本ロードは例年より少し早く、鈴鹿で最終戦を迎えました。

昨シーズンの最終回(/bike/886255)でも触れましたが、最終戦最大ミッションは『年間チャンピオンの撮影』です。
このミッションをクリアしつつ、
当ブログでは、編集部が普段取り上げないクラス、今回は主にST600とJ-GP3シリーズチャンピオンの話題に触れようと写真を撮ったつもりだったのですが、方針が変わったのか記事も写真も掲載されてしまって、ネタに困ってしまいました……

【記事】阿部恵斗、自身初のST600チャンピオン「本当にホッとしているのと、嬉しさでいっぱい」/2023全日本ロード チャンピオン会見(/bike/1002175)

【記事】J-GP3、3連覇の尾野弘樹「全戦全勝は難しいと実感したシーズンだった」/2023全日本ロード チャンピオン会見(/bike/1001984)

というわけで、相変わらず唸りながらの執筆となりましたが、編集部とは違った視点を楽しんでいただければ幸いです。

J-GP3は熾烈なトップ争いとなり、4クラスの中で最も激しいバトルが繰り広げられたのではないかと思います。
勝者は、木内尚太選手(Team Plusone)。今シーズン初優勝。
ですが、私の感情が動いたのは、筑波ラウンド(/bike/962106)で紹介した、この青年。

J-GP3表彰式。敗者(彌榮郡選手)と勝者(木内尚太選手)
J-GP3表彰式。敗者(彌榮郡選手)と勝者(木内尚太選手)

彌榮郡選手(MARUMAE with Club PARIS)。
激しいバトルの末に敗れ、表彰式では感情があふれてしまいました。

彌榮郡選手は一時トップを快走するも、木内尚汰選手が逆転勝利
彌榮郡選手は一時トップを快走するも、木内尚汰選手が逆転勝利

表彰式での悔し泣きは避けるべきかもしれませんが、私はこのような人間味がある選手が好きです。
頑張れ、若者! 来シーズンは嬉しき泣きを撮らせてもらいましょう!

悔しさの種類は人それぞれ。この選手の感情は複雑でしょう。

SDG Honda Racingピットにて。榎戸育寛選手(左)と本田光太郎代表(右)
SDG Honda Racingピットにて。榎戸育寛選手(左)と本田光太郎代表(右)

岡山ラウンドでは國峰啄磨選手(TOHO Racing)に接触されて転倒リタイアとなってしまいましたが、鈴鹿ラウンドでは逆に國峰選手へ接触していまい、両者転倒リタイア。

榎戸育寛選手
榎戸育寛選手

ST1000クラスのシリーズチャンピオンを掴みかけていましたが、手からこぼれてしまいました……
勝者はひとり。勝者がいれば、その陰には敗者もいます。

後日分かった事実ですが、榎戸育寛選手はこのレースで現役引退となりました。
この涙はそういう意味だったのですね……

お蔵入りさせるのはもったいないと思い、まだ地方選手権を走っていた、2014年筑波ロードレース選手権の写真を引っ張り出してきました!

榎戸育寛選手(左)、現・オートレーサーの上和田拓海選手(中央)
榎戸育寛選手(左)、現・オートレーサーの上和田拓海選手(中央)

まだコンタクトレンズではなく眼鏡で、あどけなさが残っています。
彼の全日本ロードデビューから引退までの軌跡は、個人的にも非常に感慨深いです。
今後の活躍を祈っています。

泣きもあれば笑いもあり。
ST1000のチャンピオンシップは12周の中でも二転三転し、渡辺一馬選手(Astemo Honda Dream SIRacig)が逆転でチャンピオン獲得。
ST1000は鈴鹿ラウンドだけではなく、非常にドラマティックなシーズンとなりました。

ST1000クラスチャンピオンを獲得した渡辺一馬選手
ST1000クラスチャンピオンを獲得した渡辺一馬選手

激闘の王座争いを制したST1000渡辺一馬「今年が一番苦しく、長く感じた1年」/2023全日本ロード チャンピオン会見(/bike/1001988)

嬉しさも人それぞれ。
JSB1000クラスのレース1では水野涼選手(Astemo Honda Dream SIRacig)が激しいバトルを制し、優勝。
以前も触れましたが(/bike/781927)が、コースサイドで撮影していると別の場所で起きた事象は分からず、ウイニングランで喜んでいるのは最終ラップで3位だった水野涼選手でした。
この時はシケインでのドラマを知る由もなく、喜んでいる水野涼選手に夢中でシャッターを押します。

レース1ウイニングラン。レース2も優勝し、なんと2連勝!
レース1ウイニングラン。レース2も優勝し、なんと2連勝!

水野涼選手の活躍の陰で、チーム移籍後、初の3位表彰台を獲得した選手が。

レース2で3位を獲得した亀井雄大選手とYOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN
レース2で3位を獲得した亀井雄大選手とYOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN

ついに表彰台にあがってくれました、亀井雄大選手(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)。
今シーズンの序盤は新しいマシンに苦しんでいたものの、最終戦では本来の実力を発揮してくれました。
最終戦では、同じチームで渥美心選手がスポット参戦しましたが、来年は2台体制となるのでしょうか?
今から来シーズンが楽しみです。

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINのピット。左が渥美号で右が亀井号。カウルの色が異なるが中身は……?
YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINのピット。左が渥美号で右が亀井号。カウルの色が異なるが中身は……?

ST600は毎周、上位陣の順位が入れ替わる激しい展開で、果たして誰が勝つのか……
もしポイントリーダーの阿部恵斗選手(51GARAGE kupu Racing YAMAHA)が転倒したら……
とカメラを握る手にも力が入り、興奮しながらの撮影です。
といってもコースサイドでひとりで興奮しており、カメラマンはけっこー孤独です。

その激しいレースを制したのは井手翔太選手(AKENO SPEED)。
最終ラップにAKENO SPEEDの先輩、南本宗一郎選手(YAMAHA GENBLU RACING TEAM ASEAN)をパスして今シーズン2勝目。

ST600最終ラップ
ST600最終ラップ

いかがでしたでしょうか?
最終戦は、シリーズチャンピオンにスポットライトがあたりがちになってしまいますが、いちレースとしてのドラマは他のラウンドよりも多く、フォトジェニックな瞬間がたくさんあると思っています。
特に今シーズンはどのクラスも激しいレースとなり、いち観戦者としても楽しめた最終戦でした。
最大ミッションの『シリーズチャンピオンの撮影』をクリアしつつ、編集部に怒られない程度にこっそり記録してきました。

お陰様で当ブログは3シーズン目、チャンピオンシップとの並行連載は2シーズン目となり、要領は掴んだものの試行錯誤の連続です。
撮影していると「あれもこれもそれも撮りたい」となりがちですが、サーキットは広く、正に「二兎を追う者は一兎をも得ず」で割り切って「その場に注力」がやはり大事なのではないかと思ったシーズンでした。

海外取材から始まり、新型コロナウイルスにも罹患した今シーズンでしたが、無事完了できました。
ご拝読いただきまして、ありがとうございました。
楽しんでいただけましたでしょうか?

来シーズンも皆様とお会いできますように!

また来年!
また来年!


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