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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.01.19 18:49
更新日: 2018.01.20 15:42

MotoGP:2017年型ホンダRC213V、サイドカウルについた黒いパーツの意外な役割

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MotoGP | MotoGP:2017年型ホンダRC213V、サイドカウルについた黒いパーツの意外な役割

 ホンダのMotoGPマシン、2017年型RC213V。このマシンを駆ってマルク・マルケスがチャンピオンに輝き、コンストラクターとチームタイトルを獲得して、ホンダは2017年シーズン3冠を達成した。今回は、チャンピオンマシンRC213Vにスポットを当て紹介する。

 まず最初に、RC213Vの元祖、RC211Vの誕生についてひもといてみよう。MotoGP最高峰クラスを戦うホンダのマシン、RCシリーズの始まりは2002年。この年は、それまで2ストローク500ccマシンで争われていた世界選手権の最高峰クラスがMotoGPと名称を変え、4ストローク990ccマシンとの混走となったシーズンだった。

 このときホンダの4ストローク990ccマシンとしてデビューしたのがRC211Vだ。その後、MotoGP最高峰クラスは4ストローク990ccマシンのみのレースとなり、さらに2007年には排気量が800ccに引き下げられた。

ダニ・ペドロサ機(左)、マルク・マルケス機(右)

【ホンダRC213Vの細部を写したフォトギャラリーはコチラ】

 この変更によって登場したのがRC212Vで、さらに2012年には排気量が1000ccに引き上げられる。この変更によって開発されたのが、今回取り上げるRC213Vだ。

 RC213Vが搭載するエンジンは1000ccの水冷4ストロークDOHC4バルブV型4気筒。最高出力は180kW以上にも及ぶ。RC213Vデビューイヤーの2012年は急きょ変更された最低重量などにより苦戦した。ホンダのワークスチーム、レプソル・ホンダ・チームは2011年チャンピオンのケーシー・ストーナー、ダニ・ペドロサといったライダーラインアップだったが、ヤマハのホルヘ・ロレンソにタイトルを奪われる。

 2012年限りでストーナーが引退すると、2013年にはルーキー、マルケスがレプソル・ホンダ・チームに加入。マルケスはMotoGPクラスルーキーながらも2013年型RC213Vでチャンピオンに輝き、2014年には連覇を達成した。

ホンダRC213V マルク・マルケス機
ホンダRC213V マルク・マルケス機
ホンダRC213V ダニ・ペドロサ機
ホンダRC213V ダニ・ペドロサ機

 2015年は再びロレンソにタイトルを譲ったが、2016年にはクランクシャフトが逆回転のエンジンを採用したRC213Vでマルケスがチャンピオンを奪還する。2016年はタイヤがブリヂストンからミシュランのワンメイクに、タイヤサイズが16.5インチから17インチになり、ECUが共通化となった革新的な年でもあった。

 そして、マルケスがドゥカティのアンドレア・ドビジオーゾと最終戦までタイトルを争った2017年。2017年型RC213Vはエキゾーストシステムがテルミニョーニ製からSC-プロジェクト製に変更となり、エンジンの点火順序が等間隔爆発のスクリーマーから不等間隔爆発のビックバンに変わった。

 さらにシーズン途中のテストでは空力カウルが登場している。2017年型RC213Vによってマルケスは全18戦中6勝を挙げてチャンピオンに輝き、ペロドサは2勝を挙げてランキング4位でシーズンを終えた。

 ちなみに、空力パーツと思われていたサイドカウル中段、『REPSOL』の“P”付近にある黒いパーツはエンジンスライダー。このパーツの主な役割は、転倒時にエンジンへのダメージを軽減したりするもので、MotoGPでは転倒した際、コース上にマシンを残さないためにマシンを滑らせる役目も果たす。

サイドカウルについた黒いパーツは空力パーツではなくエンジンスライダーだった!
サイドカウルについた黒いパーツは空力パーツではなくエンジンスライダーだった!
ホンダRC213V サイドビュー(右、カウルなし)

【ホンダRC213Vの細部を写したフォトギャラリーはコチラ】


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