スタートでミスをしたというポールポジションスタートの中須賀は「2番手になってからトップの高橋巧選手の走りを観察していましたが、調子が良さそうだったので早めに仕掛けて自分のペースに持ち込もうと考えました」と早めに勝負に出た理由を明かしている。
中須賀と高橋巧はファステストラップを更新しながら3番手以降を引き離し、周回を重ねた。
これには中須賀も「自分自身もいいペースで走っていたのですが、巧選手はそれ以上のペースで走っていたので、ブレーキングだけはミスをしないようにと心がけました」と、高橋巧のペースのよさを感じていたようだ。
中須賀の背後に付けていた高橋巧は、「マシンの仕上がりに関して安心感があったこともあり、序盤から積極的に攻めることができました」と、中須賀を逃さないよう追っていた。パッシングポイントを探りながらの走行で、「(中須賀選手は)すきがなく、ミスもないので、前に出るタイミングを探していました」と言う。
17周目の1コーナーで高橋巧がオーバーランを喫し、再び中須賀に迫った22周目。高橋巧がバックストレッチでついに中須賀に並びかける。しかし馬の背コーナーへのブレーキングで止まり切れず、オーバーラン。ここで勝負は決した。
「追いついたタイミングがバックストレッチで、うまく止まれればと思って前に出ましたが、やっぱり止まれませんでした」と、レース2後のトップ3会見で語った高橋巧。そのまま中須賀、高橋巧の順でフィニッシュとなったが、これまでの2位とは違った手ごたえを握りしめたようだ。
「レース1よりは追い詰めることができ、勝負できるレベルにきたと思います」
この高橋巧の言葉から、一度はオーバーランして築かれたアドバンテージを詰めて再び勝負をすることができるほど、中須賀とヤマハYZF-R1のパッケージに挑む戦闘力を感じていることがうかがえる。
SUGOでシーズン6勝目を挙げチャンピオンシップでランキングトップをひた走る中須賀も、「ライバルは確実にポテンシャルを上げてきているので、こちらもさらに上を目指していきます」と油断を見せない様子。
次戦第5戦はJSB1000の開催はない。7月末開催の鈴鹿8時間耐久ロードレースを挟み、8月にツインリンクもてぎで行われる第6戦2&4が、中須賀と高橋巧にとって次の決戦の場となる。中須賀と高橋巧、ヤマハとホンダの対決はまだまだ見逃せない。