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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.12.07 19:53
更新日: 2018.12.08 09:47

ヤマハの新エンジンは不振を好転させるか【イギリス人ライターのMotoGPオフテスト分析】

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MotoGP | ヤマハの新エンジンは不振を好転させるか【イギリス人ライターのMotoGPオフテスト分析】

 イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーのMotoGPコラム。MotoGPオフィシャルテストで見えた各メーカーの動きをオクスリーが分析する。

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 2019年のテストは2月になるまで始まらず、レースも3月までは始まらないが、バレンシアでのオフィシャルテストと2018年最後のテストとなるヘレステストは、2019年シーズンに向けて各ファクトリーチームが準備をする上で重要な時間だ。

 なぜならファクトリーチームは2019年のエンジン仕様をこれら2度のテストで決めなければならず、来年のテストとレースにエンジンのビルドが間に合うようにエンジンパーツを発注して製作しなければならないからだ。

 近年では、トップ3のファクトリーが間違ったエンジンスペックを選択してしまった。一番最近ではヤマハがそうであり、2017年はスズキ、2015年はホンダがそうだった。アプリリアとKTM以外のチームは、シーズン中のエンジンアップデートが禁止されていることから、ライダーは冬のミスの影響を2019年の19レースの間中受けることになってしまう。

 今シーズンの終了はかつてないほど遅かったため、2018年の秋からファクトリーエンジニアの仕事はさらに厳しいものになっている。そして各ファクトリーチームはすでに、規則のすり抜けを防止するために導入された、共通IMU(慣性計測装置)を使用している。

■ロッシ、ビニャーレス好感触のヤマハ新エンジン

 ヤマハのMotoGPエンジニアたちは2019年シーズンのオフは最大のプレッシャーにさらされている。なぜなら、3シーズン前の共通ECUとミシュランタイヤの導入から始まったパフォーマンスのスランプを好転させなければならないからだ。

 ヤマハのMotoGPマネージングディレクターを務めるリン・ジャービスは、我々がここで長らく言ってきたことをついにバレンシアで認めた。ジャービスによれば「我々の問題は2年前に始まった」ということだ。それは2016年のことだ。

 バレンシアテストでバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは、より優れた加速に加え、減速時のトラクションをもたらすよう設計されたふたつの新エンジンを試した。コーナー立ち上がりにおいて、高いパフォーマンスが必要なことは明白であるが、コーナーエントリーの際のより良いパフォーマンスの必要性は低い。

バレンシアテストをトップタイムで終えたマーベリック・ビニャーレス
バレンシアテストをトップタイムで終えたマーベリック・ビニャーレス

 ミシュランのリヤスリックはグリップが優れているため、ライダーたちはマシンを止めるためにリヤのグリップを使う必要がある。またフロントタイヤの負担を減らすようになっているので、簡単に荷重がリヤタイヤにかかりすぎてしまう。しかし2018年のヤマハYZR-M1エンジンのクランクシャフトの慣性は小さすぎたため、回転数を急激に落としてしまい、リヤタイヤをロックさせ、ライダーがコーナーに進入する流れの妨げとなった。

 そして、まさにその新エンジンのひとつがビニャーレスに割り当てられたが、ビニャーレスはバレンシアテストで最速だった。


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