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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.01.03 10:00
更新日: 2018.12.26 18:26

中上がMotoGP初年度につかんだ課題とヘレステストで手にした自信。「2019年のポイントはシーズン序盤」

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MotoGP | 中上がMotoGP初年度につかんだ課題とヘレステストで手にした自信。「2019年のポイントはシーズン序盤」

 2018年、MotoGPクラスデビューを果たし、ロードレースの最高峰クラスで唯一の日本人ライダーとして戦った、中上貴晶。MotoGPクラスのルーキーイヤーを振り返る中上は、冷静に自分の課題を見つめていた。

「かなり厳しいコンディションでした」と語るのは、最終戦のバレンシアGPについてだ。

 2018年シーズンの最終戦バレンシアGPは雨のレースになった。その路面状況からレースは一時中断。コンディションの回復を待ってレースは再開されたが、24台中完走15台というサバイバルレースだった。

 中上はそんな厳しいレースを堅実に走り抜き、6位でフィニッシュ。今季自己ベストリザルトでチェッカーを受けたばかりか、インディペンデントチームのトップを獲得した。

2018年最終戦バレンシアGP。コンディションの悪化によりレースは一時中断となるなど波乱のレースとなった
強い雨に見舞われた2018年最終戦バレンシアGP。コンディションの悪化によりレースは一時中断となるなど波乱のレースとなった

「(レース1では中断する)3、4周前から赤旗をずっと待っていました。それだけひどいコンディションだったんです。いつ赤旗が出るか、出てほしい、と思っていました」

「6位でゴールしたのは知っていたけれど、インディペンデントチームのトップというのは知らなかったんです。だからパルクフェルメを通過してしまいました。チームに『トップだからパルクフェルメだぞ』って言われて。うれしいサプライズでしたね」

「最後、いい形でシーズンを締めくくれたと思います。一番うれしかったです」と笑顔を見せた中上。ただ、2018年シーズン全体としては、満足のいくものではなかった。全19戦で獲得したポイントは33、ランキングは20位で、目標としていたルーキー・オブ・ザ・イヤーには手が届かずに終わった。

「最終戦はいい形で終えられたけれど、シーズンとしては自分が望んでいたレース結果は残せませんでした。自分が最初に目標にしていたトップ10圏内でのゴールはなかなか達成できなかったし、そこに届きそうで届かない、というレースが続いてつらかったです」

 2018年シーズン開幕前のオフシーズンのテストでは、Moto2マシンからMotoGPマシンへの乗り替えはうまくいった。リザルトも第2戦アルゼンチンGPから第5戦フランスGPまで連続でポイントを獲得。ただ、シーズン中盤にリズムを崩して失速した。

「シーズンに入って周りが仕上がってきたとき、僕が届かない部分がありました。自分のなかでもライディングに対して、迷いが生じたりもしたんです」

「オフシーズンのテストはシンプルで、セッティングもそれほどいじらず、MotoGPマシンに慣れることに集中しました。しかし、シーズンではセッティングが合わなかったり……。電子制御を経験するのが初めてだったこともあります。コンディションに合わせて変更を加えてはいましたが、いじりすぎて戻る場所を失ってしまった時期もありました」

 それがちょうど、低迷したシーズン中盤だった。第6戦イタリアGPから第10戦チェコGPまで、転倒やノーポイントレースが続いたのだ。

「シーズン中盤にノーポイントが続いたのが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得できなかった理由」だと中上は語る
「シーズン中盤にノーポイントが続いたのが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得できなかった理由」だと中上は語る

「今振り返ると、もっとシンプルに考えればよかったと思います。ただ、そのときは状況を改善したいと走っていて、焦りもあり気を遣いすぎたところもあります。2019年ではそれをなくしたいです」

 2018年シーズン、ルーキー・オブ・ザ・イヤーはフランコ・モルビデリに奪われた。スピードではモルビデリに勝っていると中上は言う。しかし一方で、中上はモルビデリの後塵を拝した理由を見出していた。

「課題は明確です。レース中、バトルでの強さが足りない。(オフシーズンは)そこをメインにトレーニングしたいと思っていて、バイクに乗る時間を増やすつもりです。日本ではダートトレーニングなど、バイクに乗る環境が難しいので、スペインで過ごす時間をもっと増やしていきます」

「バトルの部分や相手との距離感など、劣っている部分を改善できれば、必然的にレースでの強さも身につくと思います。だから(2019年シーズンが)すごく楽しみなんです」

■Moto2マシンの癖がMotoGPマシンのライディングに影響


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