レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

MotoGP ニュース

投稿日: 2019.01.08 20:20
更新日: 2019.01.09 10:12

MotoGP:ロレンソが明かすドゥカティに留まらない理由。特性異なるマシンへ適応して見せた技術

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


MotoGP | MotoGP:ロレンソが明かすドゥカティに留まらない理由。特性異なるマシンへ適応して見せた技術

ロレンソ:それはフロントタイヤを労わることにつきる。スピードの問題というよりは、タイヤを保たせることが問題だったんだ。タイヤを保たせるためにどう改善したかは、僕のテレメトリーを見ないといけない。理解するのは難しいかもね。

Q:誰もがフロントとリヤタイヤをより労ろうと考えるようになったのはいつからだろう?

ロレンソ:ある時点まではスムーズに走らせないといけない。ただ、あまりにスムーズだとバイクを止められないし、曲がることができなくなるから遅くなってしまう。妥協しなければならないポイントがあるんだ。

ミシュランタイヤはある領域では僕に合っている。たとえば、加速の段階だね。僕は(バイクの)加速するポイントでとてもスムーズにスロットルを使う。

一方で、ブリヂストンタイヤは僕の戦略と狙いにより合っていた。なぜなら、最初のコーナーから最後のコーナーまで同じペースでプッシュできる可能性があったからだ。僕は狙いをつけて集中するのが得意だ。ミスはほとんどしない。だからライバルたちが僕に追いついて抜くのは難しかった。

ホルヘ・ロレンソとマルク・マルケスのバトル
ホルヘ・ロレンソとマルク・マルケスのバトル

今ではすべてのライダーがタイヤを労わり、レースの序盤の4分の3は80パーセントのスピードで走らなければならない。それからアタックするんだ。このことが理由で、今のタイヤは僕には一層合わないものになっているかもしれない。

Q:君はミシュランタイヤが自身の戦略に合わないと言った。そのことを解決するのにどれくらい長くかかった? 2017年はいくつかのレースでは首位だったのに、後半で勢いが衰えたでしょう?

ロレンソ:2017年は、自分の戦略を変えて結果を改善することができなかった。なぜなら僕にはペースがなかったし、2018年シーズンに得た知識がその時はなかったからだ。2017年にはあるコーナーでのドゥカティの乗りこなし方が分からなかった。それにタイヤをどう労ったらいいのかも分からなかったんだ。だから唯一可能だったのは序盤でできるだけ速く走ることだった。なぜなら序盤の周回ではタイヤの感触が他のライダーたちより良かったから、差をできるだけ広げようとしていた。

2018年はより多くの知識があった。バイクとタイヤについてより経験を積んだからね。ブルノでは(ロレンソが首位争いをし、ドヴィツィオーゾから0.178秒遅れでフィニッシュした)レースの最後までタイヤを労わる新しい戦略を試した。だから今では他のコースでも同じ戦略をとるだろうね。良い戦略だ。今では良い結果を出すためのやり方がたくさん分かっているからね。

ホルヘ・ロレンソ/ドゥカティ・チーム
ホルヘ・ロレンソ/ドゥカティ・チーム

Q:君にはデスモセディチGP18でのブレーキング中に人間工学的な問題があったけれど、GP17ではどうだった?

ロレンソ:2017年中は燃料タンクの問題はなかった。ドゥカティの乗り心地の問題だったんだ。GP18でプレシーズンテストを始めた時に、僕はこの燃料タンクは助けにならないと不満を言い始めた。

Q:GP17とGP18の主な違いは何?

ロレンソ:すべてだね。シャシーもエンジンも違う。エンジンがスムーズになり、バイクは曲がりやすくなった。曲がりやすくなったけれど、大抵の場合、何か新しいことを試す時にバイクは100パーセント良くはならない。10点中7点か8点は改善できるかもしれないけど、2点か3点はうまくいかないかもしれない。GP17に乗っているライダーたちの何人かがあるコースではとても速かったのはそれが理由だ。一部のコースでは旧型のバイクの方が速かった。

2018年、僕たちはこれほど違うバイクに乗り換える難しさを過小評価していたんだ。フルレースの距離を乗りこなせるようになった最後の要素は、ムジェロで導入した改良型の燃料タンクだ。ムジェロの前と後では、僕にとってはふたつの違うチャンピオンシップのようだった。

僕が(2019年シーズンに)ドゥカティにいない訳は、人々が僕の結果を見て能力を過小評価したからだ。彼らは短期的に考えていて、僕が過去に成し遂げたことを忘れていたんだ。悲しいことだね。僕たちはともにより素晴らしい結果を達成できたはずなのに。

ドゥカティに僕が残していくものは、バイクを改善するためにより多くの道があるということ。彼らは今、それを知っている。

僕に残されたものは、僕が異なるバイクに合わせてライディングスタイルを完全に違うものに変えることができ、競争力を発揮することができると分かったことだ。このことを次のチームに持ち込めることを願っているよ。

ホンダ機を駆って2日目のロレンソは12番手でバレンシアテストを終えた
ホンダ機を駆って2日目のロレンソは12番手でバレンシアテストを終えた


関連のニュース