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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.01.08 20:20
更新日: 2019.01.09 10:12

MotoGP:ロレンソが明かすドゥカティに留まらない理由。特性異なるマシンへ適応して見せた技術

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MotoGP | MotoGP:ロレンソが明かすドゥカティに留まらない理由。特性異なるマシンへ適応して見せた技術

 2018年シーズン限りでドゥカティを去り、2019年からレプソル・ホンダに移籍するホルヘ・ロレンソ。そんなロレンソに、イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーがインタビューを実施。ヤマハからドゥカティと特性がまったく異なるマシンに乗り換えたロレンソは、どのようにしてライディングスタイルを変容させていたのだろうか。また、ドゥカティに留まらなかった理由とは。

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Q:2016年にMotoGPが共通ソフトウェアとミシュランタイヤに切り替えた時、君にとって状況はどのくらい変わった?

ホルヘ・ロレンソ(以下ロレンソ):とても大きく変わったね。2015年の終わりと2016年の初めに新しい電子制御とタイヤをテストしたが、大きな変化があった。なぜなら僕が新しい電子制御とエンジンブレーキを試した最初の数回は、常にリヤタイヤがロックしてしまった。ソフトウェアが旧式で性能が良くなかったからだ。バイクを乗りこなすのが難しかった。多くのエネルギーを消耗し、約2秒は遅くなったけど、状況は少しずつ良くなっていったよ。

そして、ミシュランタイヤだ。最初の頃はリヤタイヤに大きなグリップがあり、フロントにはほとんどグリップがなかったから、プッシュしようとするたびに、2周目か3周目でクラッシュするんだ。

他のライダーたちもクラッシュが多かった。中速コーナーでスロットルを開ける時にね。そしてミシュランはリヤグリップを減らし、フロントタイヤを改善した。だから状況は少しずつ安定していったんだ。

それと同時にすべてのチームがミシュランタイヤのシステムをできるだけ良いものにするために、共通ソフトウェアに取り組んだ。バイク自体もエンジンとシャシーが改善された。タイヤはコース次第だった。でも電子制御はいまだに以前(共通ECUになる前)と同じレベルには達していないね。

Q:君はヤマハにいた2015年は7回優勝し、2016年は4回優勝した。つまりヤマハはミシュランタイヤに大分苦戦していたということ?

ロレンソ:ホンダは2016年の序盤、加速の点で(電子制御のセットアップがうまくいかずに)苦戦していた。2016年の僕たちは強かったけれど、電子制御よりタイヤの方が大きな問題だった。フロントタイヤの感触がなかったんだ。

ホルヘ・ロレンソ
ホルヘ・ロレンソ

2016年は難しい状況だった。そして(2016年4月の第2戦アルゼンチンGPでスコット・レディングがリヤタイヤをバーストさせた後)ミシュランがより硬いリヤカーカスを導入した時に、さらに問題を抱えることになったんだ。

(2016年の)プレシーズンテストで僕はとても速かったけれど、ミシュランがより硬いタイヤを持ち込み始めた時から、僕は弱くなってしまったと言える。僕たちは電子制御については問題なかった。でもホンダがミシュランタイヤでの電子制御を大きく改善した。一方でドゥカティはすでに共通ソフトウェアでうまくいっていたから、シャシーのような他の領域を改善していた。

Q:新技術に対してどのようにライディングスタイルを変えていった?

ロレンソ:ヤマハにいた頃はそれほど変えていない。ミシュランのフロントタイヤの問題は、コーナーに進入する際にフロントを失いたくなかったら、ストレートでブレーキングして、そしてフロントブレーキをリリースしなければならなかったことだ。

ブリヂストンのフロントタイヤはブレーキングの際にハードにプッシュし、最後の瞬間までブレーキングを維持できる可能性があった。ほとんど完全にバイクを傾けているときにね。ミシュランタイヤではそれはできない。コーナー進入時にバイクをブレーキングでより減速させ、中速コーナーでのスピードを利用して、リヤタイヤでコーナー立ち上がりに備える必要がある。

ホルヘ・ロレンソ/ドゥカティ・チーム
ホルヘ・ロレンソ/ドゥカティ・チーム

Q:ドゥカティでの君のライディングスタイルはどうだった?

ロレンソ:(ドゥカティでの)僕たちはいまだにコーナー中盤で苦戦している。なぜならリヤタイヤは常にフロントタイヤよりもよりグリップがあるし、フロントタイヤは常にプッシュしている。だからコーナーを走るときは大幅に減速する必要がある。これは大きな問題だし、ドゥカティのバイクは僕のスタイルでは簡単には走れない。

ドゥカティのバイクは非常に特別なんだ。なぜならバイクを傾けることができないからだ。ある傾斜をつけると、バイクは曲がりにくくなる。他のバイクでは、傾ければ傾けるほど曲がりやすくなる。でもドゥカティではある超えられない限界があるんだ。

Q:それはなぜ?


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