2018年型のホンダRC213Vは、マルク・マルケスのチャンピオン獲得、同時にメーカーとコンストラクターでホンダがタイトルに輝く立役者となった。今回はチャンピオンマシンである2018年型ホンダRC213Vを、詳細なスタジオショットで解剖していく。
2018年は、ECUがソフト、ハードともにマニエッティ・マレリ製で統一され、タイヤもミシュランのワンメイクとなって3年目のシーズンとなった。
ホンダは2018年シーズン、マルケスによってライダーチャンピオンを獲得し、チーム、コンストラクターともに制して2年連続の3冠を手にした。ただ、そのシーズン序盤はややスタートダッシュに欠けた。
マルケスのシーズン初勝利は第3戦アメリカズGP。とはいえ、第2戦アルゼンチンGPでは決勝でペナルティを受け、5位フィニッシュから18位というリザルトになるアクシデントもあった。マルケスがポイントランキングで首位に立ったのは、第4戦スペインGPからだ。
そこからマルケスは安定した成績でコンスタントに勝利を重ね、最終的に全19戦中9勝を挙げて第16戦日本GPで3戦を残してタイトルを獲得した。ノーポイントレースは4戦、それ以外は優勝か表彰台を獲得し、321ポイントを積み上げた。終わってみれば2018年もマルケスがシーズンを席巻したと言っていいだろう。
マルケスが駆った2018年型のRC213Vで、目に見える形で大きく変化したのはフェアリングの形状である。2017年型RC213Vのフェアリングは、ウイングレットを不可とするレギュレーションとなったために、左右のカウルにふくらみを持たせる形だった。
一方、2018年型では、マルケスが駆るRC213Vは、四角に張り出したフェアリングがカウルの左右に取り付けられている。これは第5戦フランスGPから採用されたタイプで、マルケス機のみ。チームメイトのダニ・ペドロサは、2017年型とほぼ同じに見えるフェアリングを使用するレースがほとんどだった。
加えてリヤカウルとエキゾーストパイプの形状も変化した個所のひとつ。2017年型ではなだらかなデザインだったリヤカウルは、2018年型で角ばったものに。これはシートカウル含めて変更されているという。その下に収納されているエキゾーストパイプの形状は、2017年型でくるりと一周していたのが、2018年型ではストレートになっている。
また、今回の撮影ではアルミ製だったが、マルケスは2018年シーズン中にカーボン製とみられるスイングアームを採用するレース、セッションもあった。
現在のMotoGPマシンはレギュレーションが厳しく、大きなアップデートが難しいと言われている。そんななかで獲得した3冠は、RC213V、そしてマルケスとホンダという総合力の結果だったと言えそうだ。
<主要諸元>
全長(mm) | 2,052 |
全幅(mm) | 645 |
全高(mm) | 1,110 |
ホイールベース(mm) | 1,435 |
最低地上高(mm) | 115 |
乾燥重量(kg) | FIM競技規則に準ずる |
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブV4 |
総排気量(cc) | 1,000 |
最高出力 | 180kW以上 |
フレーム形式 | アルミツインチューブ |
フロントタイヤ(インチ) | 17 |
リアタイヤ(インチ) | 17 |
懸架方式(前) | テレスコピック式 |
懸架方式(後) | プロリンク |
燃料タンク容量(L) | 22 |