2月22~24日にオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで行われた2019年シーズンのスーパーバイク世界選手権(SBK)開幕戦、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)は3レースすべてで優勝を逃した。ドゥカティのアルバロ・バウティスタの後塵を拝した開幕戦。レイは「結果には満足しているけれど、バウティスタとの差には少しがっかりだよ」と語った。
迎えた初日、2回のフリー走行を終えたレイは、バウティスタに続く2番手。「表彰台争いができるペースはある。けれど、勝つためにはもう少し改善が必要だ」と語っていた。
カワサキの2019年型ZX-10RRは、前モデルに対しエンジンに大幅なアップデートが施された。対してMotoGPからSBKにスイッチした“ルーキー”、バウティスタが駆るのはドゥカティのパニガーレV4 R。ドゥカティは2018年までL型2気筒エンジンを搭載するパニガーレRでSBKを戦ってきたが、2019年、V型4気筒エンジン搭載マシンが投入された。
2日目に行われた予選、スーパーポールでは、レイが最後のアタックでトップタイムを叩き出し、ポールポジションを奪取。2番手にはチームメイトのレオン・ハスラムが入り、フロントロウのトップ2をカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKが占めた。
しかしレース1、レイはバウティスタに大差をつけられて2位争いに甘んじることになる。2019年、新モデルのマシンに対し、エンジン回転数の上限が新たに設定された。ドゥカティのパニガーレV4 Rは16350回転、カワサキのZX-10RRは14600回転で、その差は1750回転。
2018年も設けられていたエンジン回転数の制限。昨年、カワサキはライバル陣営よりも低いエンジン回転数制限を受け、最大で850回転の差があったと言われている。そんな状況下で、レイが後方から追い上げ優勝を飾るレースも多かった。
2019年開幕戦レース1でレイは、ハスラムとの2位争いに終始した。最終的に優勝したバウティスタの約15秒後方で、2位でチェッカーを受ける。
近年圧倒的な速さを見せていたレイとカワサキZX-10RRの、思わぬ開幕レースの姿。ただ、レイはこのレースで、2位が目標だったことを明かしている。
「正直なところ、このレースには満足しているよ。月曜と火曜の(開幕直前にフィリップアイランドで行われた)テストで、僕たちの目標は2位だろうと思っていたんだ。そしてそれを達成できた。今日はレースの最後までタイヤをいい状態に保っていられた。それが今日の目標だったんだ」
「(ポールポジションを獲得した)スーパーポールの結果を見れば、僕たちの本当のポテンシャルがわかるはずさ」