ストレートからのブレーキング中、マルケスはフロントからスリップダウン。マルケスは再スタートを試みたが、ここでレースをあきらめた。マルケスのアメリカズGPでの連勝記録は、このとき途絶えることになった。
マルケスの転倒により、トップに立ったのはロッシだ。ロッシがレースをリードし、周回を重ねていく。
マルケスに続き、レプソル・ホンダ・チームを災難が襲う。11周目の12コーナーで、ロレンソがコースを外れてスローダウンすると、そのままコースサイドでマシンを止めたのだ。前日の予選Q2でも、ロレンソにマシントラブルが発生している。ロレンソはそのまま戦線を離脱。レプソル・ホンダ・チームの両雄にとって、厳しい週末となった。
残り5周、ロッシはトップを守り続ける。しかしそんなロッシに、2番手に浮上したリンスが襲い掛かる。リンスはロッシの背後に迫ると、テール・トゥ・ノーズでロッシを追う。その差は約0.2秒以内。
残り4周、リンスがついにロッシをとらえた。トップを奪い返すべく、リンスにオーバーテイクを仕掛けるロッシ。しかしブレーキングで止まり切れずオーバーランを喫し、逆にその差が開く形になってしまう。残りは3周、そしてその差は約0.6秒だ。
リンスとロッシとの差は保たれたまま、リンスがトップをキープして最終ラップに突入。最終ラップではリンスのラインがややワイドになるシーンがあったが、リンスは最後までロッシのプレッシャーに屈することなく、その座を守った。
リンスは見事、トップでチェッカー。自身にとってMotoGPクラスで初の優勝を飾った。スズキとしても、ビニャーレスが果たした2016年第12戦イギリスGP以来の勝利となった。
惜敗のロッシは2戦連続2位表彰台を獲得。ヤマハの優勝が遠いものではないことを予感させた。3位には4番手スタートのミラーが入り、ドゥカティのファクトリーチームを抑えて表彰台を獲得している。
4位フィニッシュを果たしたのは、13番手から驚異の追い上げを見せたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、5位にはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が入った。中上は10位フィニッシュで、ポイント獲得を果たしている。