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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.05.09 17:30
更新日: 2019.05.09 17:33

マルケスに唯一手が届きそうだったクアルタラロの弱点/ノブ青木の知って得するMotoGP

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MotoGP | マルケスに唯一手が届きそうだったクアルタラロの弱点/ノブ青木の知って得するMotoGP

 スズキで開発ライダーを務め、日本最大の二輪レースイベント、鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦する青木宣篤が、世界最高峰のロードレースであるMotoGPをわかりやすくお届け。第20回は、第4戦スペインGPで驚きの速さを見せたファビオ・クアルタラロについて。

 青木は、クアルタラロがスペインGP以降もマルケスに迫る速さを見せる可能性があると語るが、彼には“弱点”があるという。その弱点とは何か。

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 第3戦アメリカズGPで転倒リタイアを喫したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。「もう余裕ブッこいたりしません!」と心を入れ替えるや、続く第4戦スペインGPでは誰も手が届かないブッチギリ優勝を果たした。

 そんなマルケスに唯一手が届きそうだったのは、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)だ。残念ながら今回はシフターのトラブルでリタイアとなってしまったが、今後も恐らくどこかのレースで一瞬は、一瞬なら、マルケスに手が届く……かもしれない。

 相当な含みを持たせているのは、クアルタラロにはまだ弱点があるからだ。彼の弱点、それはズバリ、まだ転んでいないことだ。奇しくもペトロナス・ヤマハSRTのチームマネージャー、ウィルコ・ズィーレンベルグがこんなことを言っていた。「ファビオが転んでからが、我々チームの仕事だ」

ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)
ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)

 クアルタラロはまだMotoGPで痛い目に遭っていない。怖い物知らずでバンバンと攻めている状態だ。心に傷を負っていないからこそイケているわけだ。つまりズィーレンベルグはその状態に目を曇らせることなく、すでに先を見越しながら「必ず転ぶから。その後にどう彼をサポートするかが大事だね」と言っている。さすがは元グランプリライダーだけのことはある。

 スペインGP終了直後の公式テストでも、クアルタラロは本チャンの予選より速いトップタイムをマークした。リタイアの原因がマシントラブルだったからこその、イケイケっぷりである。変な言い方になるが、彼にとっては2位を走り続け10周リタイアでスペインGPを終えたことがプラスになっている。自分自身の期待値が高いままで済んでいるからだ。だからまだ、勢い任せの走りを続けられている。

■“転倒”がもたらすメンタルへの影響

 しかしですね……。素晴らしき才能を持った若きMotoGPライダーを相手に人生の先輩ヅラするつもりなどさらさらないが、バイクでレースをしている限り、必ずや転倒というかたちで痛い目に遭う時がやってくるのだ。そして、必ず怖くなる。今までの走りができなくなる。ステップバックする。マルケス以外は(笑)。


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