レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

MotoGP ニュース

投稿日: 2019.06.13 19:11
更新日: 2019.06.13 20:40

量産車レース出身のライダーがレース専用マシンで戦う難しさ/ノブ青木の知って得するMotoGP

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


MotoGP | 量産車レース出身のライダーがレース専用マシンで戦う難しさ/ノブ青木の知って得するMotoGP

 スズキで開発ライダーを務め、日本最大の二輪レースイベント、鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦する青木宣篤が、世界最高峰のロードレースであるMotoGPをわかりやすくお届け。第21回は、第6戦イタリアGPで母国優勝を果たしたドゥカティのファクトリーライダー、ダニロ・ペトルッチについて。

 量産車レースから世界GPにステップアップしたペトルッチ。量産車ベースのマシンからレース専用マシンに乗り換えて戦い、優勝することがどれだけ険しい道のりなのかを青木が解説する。

ーーーーーーーーーー

 ダニロ・ペトルッチ、優勝おめでとう! 今シーズン、アレックス・リンスに続くふたりめの初優勝だ。多くのライダーに勝機が訪れるのは、非常に喜ばしいことだとワタシは思う。本当におめでたい……と言いつつ、「どこから来たのペトルッチ!?」という人も多いだろう。

ダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)
ダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)

 1990年生まれ、現在28歳のイタリア人であるペトルッチは、Moto3、Moto2を経験していない。2012年からMotoGPに参戦するまでは、量産車ベースのマシンで競われる欧州スーパーストック600や1000を走っていたという経歴の持ち主だ。

 量産車ベースのマシンは、プロダクションマシンとも呼ばれる。皆さんが普通に購入できるスズキGSX-R1000やホンダCBR1000RR、ヤマハYZF-R1、カワサキZX-10Rなんかですね。一方、Moto3、Moto2、そしてMotoGPのようにレース専用に開発された車両は、プロトタイプマシンと言う。

スズキGSX-R1000R
量産車ベースのマシンはプロダクションマシンとも呼ばれる

 正確にはMoto2のエンジンは量産車用がベースだし、2012~2013年にはMotoGPにも量産車ベースのエンジンを搭載するCRT(クレイミングルールチーム)というマシンもあったが、まぁ基本的にグランプリはレース専用車両で競われている。

 かつてはアメリカ人やオーストラリア人ライダーを中心にプロダクションレースから世界GPに、という流れもあったが、最近ではかなり珍しくなってきている。いわゆる「プロダクションレース上がり」と呼ばれるケースだが、現役MotoGPライダーだと、イギリス選手権とスーパーバイク世界選手権(SBK)に出ていたカル・クラッチロー、2013年に欧州スーパーストック600でチャンピオンを獲っているフランコ・モルビデリ、そしてペトルッチぐらいだろうか。

 中上貴晶が全日本ロードレース選手権J-GP2クラスでタイトルを獲り、ST600でも戦ったりしていた。ティト・ラバトもスペインでスーパースポーツ選手権に出ていたりと、一時的にプロダクションマシンで戦ったライダーも少なくない。でも、基本的にはプロトタイプマシンでキャリアを積み重ねてきたライダーがMotoGPにステップアップするのが常道だ。

■プロトタイプとプロダクションの違い


関連のニュース

本日のレースクイーン

AUTOBACS/大阪オートメッセ2024
広瀬晏夕(ひろせあんゆ)

MotoGP Photo Ranking

フォトランキング