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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.07.02 06:00
更新日: 2019.07.01 14:36

MotoGPオランダGPで2019年シーズン初優勝飾ったヤマハのビニャーレス。「夢みたいだ」の言葉の意味

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MotoGP | MotoGPオランダGPで2019年シーズン初優勝飾ったヤマハのビニャーレス。「夢みたいだ」の言葉の意味

 モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのマーベリック・ビニャーレスが、2019年シーズン初優勝をMotoGP第8戦オランダGPで飾った。ビニャーレスの優勝は2018年第17戦オーストラリアGP以来。そしてそれはヤマハにとっても同様だった。待ち望んでいた勝利に、ビニャーレスはパルクフェルメでよろこびを爆発させた。

 前戦カタルーニャGPから流れはあった。ビニャーレスはカタルーニャGPの予選で、3番手タイムをマーク。予選Q2でチェッカーを受けたと勘違いしてスロー走行をしたことでペナルティを受け、3グリッド降格となったものの、決勝レースではスタートから上位を走行していたのだ。2周目にホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)の転倒が引き金となった多重クラッシュに巻き込まれたとき、ビニャーレスは3番手を走っていた。

 そして、オランダGP。ビニャーレスは初日から上位につける。初日は総合トップ。フリー走行3回目では初日のタイムを更新できなかったものの、3回のフリー走行を終えて3番手。予選でも2番グリッドを獲得した。

 初日を終え、「モンメロ(カタルーニャ)と同じようなフィーリングがあるんだ。自分のライディングスタイルを改善したことで、アッセンでうまく乗れているのだと思う」とビニャーレスは語っていた。

 決勝レースは序盤からファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とともにトップ集団で走行。中盤まではクアルタラロとマルケスのすぐ後方につけていたビニャーレスは、2番手に浮上していた16周目にクアルタラロを交わしてトップに浮上する。

 その後数周にわたり、クアルタラロを交わして2番手となったマルケスとトップ争いを繰り広げたが、18周目のオーバーテイクが勝負を決めた。トップに立ったビニャーレスは21周目に自己ベストをマークするなど終盤まで速さを維持し、最終的にマルケスに対し約5秒の差を築いて2019年シーズン初優勝を果たした。

ビニャーレスは終盤にマルケス、クアルタラロを交わしてトップに浮上
ビニャーレスは終盤にマルケス、クアルタラロを交わしてトップに浮上

「苦しい時間だった。自分たちが得意とするサーキット3つでリタイアを強いられて、厳しい時間を過ごしてきた」とビニャーレスは2019年シーズンを振り返る。ビニャーレスが今季、リタイアしたのはアルゼンチンGP、フランスGP、カタルーニャGP。「リタイアを強いられた3つのサーキット」とはこの3つを指すのだろう。どれもほかのライダーと接触してのリタイアだった。

「2019年シーズンはずっと厳しかったのだけど、カタルーニャからの勢いを維持しようとしたよ。バイクはすごくよかった。チームにも感謝したい。彼らは今週末、すばらしい仕事をして、レースのラストラップに向けてしっかり準備してくれたから」

 ビニャーレスは終盤にマルケスとトップを競い合ったが、「僕は強かった。1対1のブレーキング勝負でもね。オーバーテイクができるとわかっていたんだ」と、そこには自信があったことをうかがわせる。

「優勝したことで、プレッシャーを少し軽くできたのは大事なことだ。表彰台の頂点に返り咲くことができて、最高だよ。それに、ヤマハに勝利への道筋をもたらすことができたのも大事なことだ。僕たちにはポテンシャルがあるとわかっているけれど、これまでそれを証明できていなかった。それは常に、チームとライダー、そしてバイクのコンビネーションのたゆまぬ努力によって生まれるものなんだ」

 オランダGPの優勝のよろこびを「夢みたいだ」と表現するビニャーレス。この言葉に、これまでの苦しさがにじんでいるようだった。


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