11月19~20日、MotoGPの2020年シーズンへ向けたテストがリカルド・トルモ・サーキットで行われた。参加したのは2020年シーズンのMotoGPクラスに参戦するレギュラーライダーと、各メーカーのテストライダーだ。それぞれどのようなテストが行われたのか、ライダーのコメントを交えて振り返る。
ホンダはレプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスと、テスト前日の18日にレプソル・ホンダ入りが発表されたマルク・マルケスの弟であるアレックス・マルケス、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)、テストライダーのステファン・ブラドルが走行。2020年型のホンダRC213Vを走らせたマルク・マルケスは初日、昼ごろに13コーナーで転倒を喫したが、テストは続行した。
初日にマルク・マルケスが走らせたという2020年型のバイクは、来季に向けたプロトタイプのもので、エンジンの比較テストを行った。2日目には新しいフェアリングを装着したマシンと新しいエンジンの組み合わせで走行し、2日間総合で7番手タイムをマーク。
マルク・マルケスは新フェアリングと新エンジンを搭載した2020年型プロトタイプマシンでの走行について「そんなに悪くなかったよ。いい面もあるし、解決が必要な部分も少しはある。いくつかのコーナーではフィーリングがすごくいいというわけではないからね」と評価した。
カル・クラッチローも2日目には新フェアリングをテスト。マルク・マルケスのチームメイトとなるアレックス・マルケスは、2日間にわたり2019年型マシンで走り込んだ。アレックス・マルケスは初日の1回目の走行で転倒を喫したが、その後もテストを続けた。
一方、ドゥカティ・チームは、主にアンドレア・ドヴィツィオーゾとテストライダーであるミケーレ・ピロのふたりでのテストとなった。というのも、ダニロ・ペトルッチがバレンシアGPの決勝レースの転倒により左肩を負傷し、初日の10周ほどでテストを切り上げたためだ。ペトルッチは初日後、「左肩に力が入らない」と語っており、2日目は走行していない。
ドヴィツィオーゾは、2日目には新しいシャシーのテストに時間を費やした。2日間の総合としては8番手タイムだったが、それだけ多くのテストを行ったようだ。長年の課題であるコーナリングスピードの改善については、コメントが出ることはなかった。
「今日(2日目)はシャシーのテストに時間をかけるのが大事だったんだ。来季に向けた決断をするためにね。ラップタイムはいいわけじゃないけれど、今日は重要な日だった」
初日はファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)、2日目にはマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマークしたヤマハ。まずファクトリーチームのモンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、バレンティーノ・ロッシ、ビニャーレスともに新しいエンジン、シャシーの2020年型プロトタイプマシンが投入された。このプロトタイプマシンは、ロッシによればフレームも少し変更されているという。
「初日はプロトタイプマシンで走ったのだけど、2日目は現行型で主に走行したよ。プロトタイプマシンに、小さな問題があったからなんだ。道のりは長いけれど、フィーリングはいいよ」と、ロッシは総合10番手でテストを締めくくった。
ロッシは2020年シーズンより、クルーチーフがシルヴァーノ・ガルブセラから変更。ダビド・ムニョスを新しいクルーチーフに迎えている。今回ともに作業する最初のテストとなったわけだが、「第一印象としては、いいものだった」とこちらも前向きのようだ。