Moto3クラスでは6人のイタリア人ライダーがトップ10にいるという素晴らしい状況なのだ。南アフリカ出身のブラッド・ビンダーが選手権で圧勝したことは事実なのだが、イタリア出身のエレナ・バスティアーニが今季未勝利でありながらランキング3位につけており、一貫して上位にいることも事実なのだ。
その他にも、ファビオ・ジャンアントニオや物議を醸すロマーノ・フェナティ、それにアグレッシブなニッコロ・アントネッリが2016年シーズンのMoto3クラスで注目を集めている。
そして、印象的なのはニコロ・ブレガだ。ルーキーイヤーの今季、ランキング5位につけており、表彰台も獲得している。ブレガは、2015年にMoto3ジュニア世界選手権を制するとそのままMoto3に昇格した。ブレガは最速のライダーではなかったかもしれないが、ほんのわずかのミスしかしていないのだ。
そんなブレガのこれまでの道のりが、イタリア復活への道筋への最初の手がかりになりそうだ。
ジュニア世界選手権はかつてのCEV、全スペイン選手権なのだ。このシリーズはとてもよいシリーズである。競争的であり、かつうまく組織立てられているため、ドルナが国際化したほどだ。
MotoGPではスペイン人ライダーが強すぎるために、スペイン国外で人気低迷の危機にさらされている。しかし、選手権の運命は自然と好転するものではない。現在の状況を理解する最もよい方法は、2012年に戻ってみることだ。
その当時、ロマーノ・フェナティは全イタリア選手権とイタリア二輪連盟で最も才能豊かな選手のひとりであり、実際にフィナティを中心にチームがつくられていた。