開幕戦オーストラリアは、3レースすべてで勝者が変わった。レース1はラズガットリオグル。2019年シーズン中盤以降から特に存在感を増してきた若武者が、開幕戦の最初のレースの勝利を手にした。
スーパーポール・レースではレイが混戦を制し、レース2はレイがほとんどの周回数をリードしながら、残り2周でチームメイトのアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)に交わされた。ロウズはヤマハからカワサキに移籍して早々、優勝を飾ったのだ。
こうした勝者の顔ぶれもさることながら、タイム差を見ても3レースで超・接戦が繰り広げられたことがわかる。レース1では最後まで四つどもえのトップ争いが展開され、勝者ラズガットリオグルと2位のロウズとの差はわずかに0.007秒差。3位のレディングが0.041秒差、4位のマイケル・ファン・デル・マーク(パタ・ヤマハ・ワールドSBKオフィシャルチーム)が0.137秒差。
さらにスーパーポール・レースでも、勝者レイから3位のレディングまでの差が0.072秒、レース2では勝者ロウズと2位レイとの差が0.037秒だった。また、どのレースもオープンラップから最終ラップまで、複数台による僅差の戦いが繰り広げられたことも特筆すべきだろう。2020年シーズンはチャンピオンシップも混戦となるのか。次戦カタール以降、シーズンの勢力図が徐々に明らかになっていくことだろう。
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