「バイクは昨年とだいたい同じだった。変わったのは、旋回が難しいバイクだったのが、曲がるようになったということだと思う。今やドゥカティのバイクは素晴らしいよ。今季、ドゥカティライダーみんなですごく取り組んできたんだ。考えを変えて、難しかったバイクを変えてきた。そして今は、とても強いバイクになった。ドゥカティライダーは素晴らしいと思う。僕たちは素晴らしいチームだ」
ミラーも「僕は2015年にMotoGPにステップアップしたけれど、もしそのときのドゥカティに乗りたいかと言われたら『あまり』と答えただろうね。でも今では、みんなドゥカティライダーになりたがっている。ペッコ(※フランセスコ・バニャイアの愛称)が言ったように、ライダーとエンジニアが昨年からどれくらい努力し続けてきたのかってことだと思うよ。この数年の開発に参加できたのは素晴らしいことだ」とバニャイアに同意した。
彼らの話を踏まえれば、ドゥカティの開発の進め方にポイントがあると考えられる。「チームで取り組んでいる」、それがポイントだとミラーは述べている。以下は予選後に語ったことだ。
「去年もそうだったんだけど、ひとつのパーツが誰かにわたるのではなく、すべてグループに投入されるんだ。そしてすべてのエンジニアが集まって、フィードバックなどを話し合う。だから、誰かが特別に貢献した物があるということはないと思う」
「つまり、みんなが同じことに取り組んでいるってことなんだ。あるものをネガティブだと言うライダーもいれば、ポジティブだと言うライダーもいる。でもポジティブだと言う人は、ネガティブなところを見逃しているかもしれない。だから、こういうやり方がうまくいっている。お互いに話し合い、新しいパーツについてコミュニケーションを取り合う。それが新しいバイクの開発に貢献しているんだ」
「ドゥカティはプラマックのライダーたちも巻き込んでいるんだよ。僕もそこ(プラマック・レーシング)にいたからわかる。そして、今年は先のバイクの開発にも力を入れている。だから、彼らのやり方、グループ全体で進めるやり方が大きなカギになっていると思うんだ。これをひとりに押し付けることはできない。まずはテストを行い、それから(テストライダーの)ミケーレ(・ピロ)、それから僕たちライダーにやってくるプロセスをとっている。そのためには、みんなが協力しないといけないと思う」
金曜日に行われたチームマネージャーの会見では、ドゥカティ・コルセのスポーティングディレクター、パオロ・チャバッティが今季について「我々がMotoGPに参戦して以来、2007年(ケーシー・ストーナーがチャンピオンを獲得)とともに最高の成績です」と述べている。2022年には、今季よりもさらに2台増え、8台のドゥカティがグリッドに並ぶ。来季はドゥカティの旋風がさらに強く吹くのだろうか。