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クルマ ニュース

投稿日: 2017.09.08 14:30

「乗るべしスーパーカー」発売記念連載04『ランチア・ストラトス』

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クルマ | 「乗るべしスーパーカー」発売記念連載04『ランチア・ストラトス』

 9月5日に発売となった「乗るべしスーパーカー」の発刊を記念して、この本の主役である気鋭のフォトグラファー・悠佑氏が切り取った珠玉の写真たちと、オーナーとスーパーカーのライフストーリーをご紹介。第4回は「ランチア・ストラトス」だ。

●Car Details Lancia STRATOS
Text:Akira YOKOTA

“成層圏”という車名の通り、宇宙船を思わせる異形のストラトスは、WRCでの勝利を目指して開発された。ベルトーネのデザインによる3710mmの短い全長と1750mmのワイドな車幅、1115mmの低い車高と裏腹な、スーパーカーとしては異例に高い最低地上高、そして2179mmという超ショートホイールベースのすべてが、タイトなラフロードでの高い旋回性能を狙ったもの。フェラーリ・ディノ246から譲り受けた2418ccのV6エンジンが、5馬力デチューンされた上で低速を太らせていたのも、ラリーカーである証明だった。その狙い通り、1974年にホモロゲーションを取得し市販されると、WRCにおいて1976年までメイクスタイトル3連覇を成し遂げるのだ。

●Owner’s Story 特徴的なカラーとライトポッドを備えた”マシン”に心惹かれた少年時代
A氏/Text:Shinnosuke OHTA

 スーパーカーブームは小学校1年生のとき。友人と白熱したスーパーカーカード交換の主役はランボルギーニ・カウンタックだったが、A氏の心に深く刻まれたのは、1台の特徴的な形と装備、カラーをまとった“マシン”だった。

「マルボロかアリタリアどちらかのラリー仕様です、普通のクルマにはない前の補助灯・ライトポッドに惚れました。それと鮮やかなカラーが気になって他のクルマにはない特別なイメージが小学生の時にできていたのだと思います」

 その後の大学時代、週刊誌に連載されていた『モデナの剣』を通じてフェラーリ・ディノの美しさを知り、2012年に晴れてディノのオーナーとなったが、ほどなくして“あのマシン”の出物を紹介されることとなる。

「私のスーパーカー歴は本当に浅く知識も少ないのですが、見に行きましたら素晴らしいクルマと感じ、素人目でも40年経ったクルマに見えない、と思いすぐに購入を決めてしまいました」

 室内では天井から“謎の粉”が降り、エンジンスタートにも難ありだったディノや、同時期に所有していた12気筒フェラーリ512のように、キャブのポイントを足で探るような儀式を経る必要もなく、そのランチア・ストラトスは事も無げにエンジンがスタートした。


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