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クルマ ニュース

投稿日: 2019.09.11 07:00
更新日: 2019.09.10 18:57

マツダ・ロードスター、走りも中身も独自の“孤高”なスポーツカー【ベースマシン一刀両断!!】

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クルマ | マツダ・ロードスター、走りも中身も独自の“孤高”なスポーツカー【ベースマシン一刀両断!!】

 気持ちがいい走りというのは、タイムアタックのように可能な限りアクセルを開け、タイヤの性能を使い切るようなものだけではない。スポーツカーは、レーシングマシンではないのだ。

 ロールが大きいなら、それを抑えるように操縦すればいい。ロール速度が速く、切り返しでは安全性が失われやすいなら、それもドライビングで対応できる。もちろん、その分速度は低くなるし、当然アクセル開度も抑えられる。

 でも、それで困るだろうか? むしろ、姿勢変化を制御することを前提にドライビングするという楽しみが生まれる。そして、それにふさわしい絶妙なコントロール性の高さを、ND型ロードスターは持ち合わせている。

“人馬一体”とは、馬の能力を使い切って走らせることではなく、その無駄な動きを含めて、騎手と馬がシンクロするということだろう。とすれば、『S』はまさに“ザ・ロードスター”である。
 
 しかし、そんなND型にも欠点はあった。エンジンはNC型の2.0リッターから、ND型では1.5リッターへと縮小。トルクが太くなるよう調整されていたNC型のエンジンと比べ、ND型のそれは非力なだけでなく、低回転域のトルクが欠落しているという、スカイアクティブGの欠点が強調されたものだった。

ND型のエンジンは1.5リッター直列4気筒NAのみ。従来は最大出力131ps、最大トルクは15.3kgmだったが、2018年夏の改良で132ps、15.5kgmとスペック的にわずかにパワーアップを果たした。(撮影車両はSスペシャルパッケージ)
ND型のエンジンは1.5リッター直列4気筒NAのみ。従来は最大出力131ps、最大トルクは15.3kgmだったが、2018年夏の改良で132ps、15.5kgmとスペック的にわずかにパワーアップを果たした。(撮影車両はSスペシャルパッケージ)

 『トルク感がなく、ただただ高回転まで回るだけ』というノンターボのロータリーのようなフィーリングは、ロードスターにマッチしていなかった。

 だが、2018年夏のMCで、エンジンがリファインされた。数値的にはわずかに向上した程度だが、フィーリングは大きく改善。中低速でのトルク感が増し、コントロール性が高まった。2000rpm以下で走らせることも可能なほど、低回転でのトルクアップも果たしている。

 まだ満足というわけではないが、それでも MC前と比較すると、大幅なレベルアップだ。低回転域でのトルクが、走りと実用燃費にいかに重要なのかをマツダは再認識したのだろうか。

 デミオのガソリンエンジン車のラインナップから1.3リッターが消え、1.5リッターのみとなるなど、スカイアクティブGの欠点克服が本格化している。
 
 MC前のND型オーナーは、すぐにでも買い換えた方がいい。そう言い切れるほどの進化だった。

NA型を再現すべく、軽量・コンパクトを金科玉条として設計された現行モデル。大きなNC型から一転、小さくなったのはコクピットも同様で、ND型は体格のいい日本人男性には少々窮屈。2018年夏の改良後のモデルからはテレスコピックが新採用された。
NA型を再現すべく、軽量・コンパクトを金科玉条として設計された現行モデル。大きなNC型から一転、小さくなったのはコクピットも同様で、ND型は体格のいい日本人男性には少々窮屈。2018年夏の改良後のモデルからはテレスコピックが新採用された。

■マツダ・ロードスター S 主要諸元

車体
車名型式 マツダ5BA-ND5RC
全長×全幅×全高 3915×1735×1235mm
ホイールベース 2310mm
トレッド 前/後 1495/1505mm
最低地上高 140 mm
車両重量 990kg
乗車定員 2名
駆動方式 2WD(FR)
ギヤボックス 6MT
ステアリングギヤ形式 電動パワーステアリング/ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 195/50R16
エンジン
型式 P5-VP(RS)
形式 水冷直列4気筒DOHC
排気量 1496cc
シリンダー内径/行程 74.5/85.8mm
圧縮比 13.0
最高出力 97kW(132ps)/7000rpm
最大トルク 152Nm(15.5kgfm)/4500rpm
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
タンク容量 40リットル
燃料消費率(WLTCモード) 16.8km/L

auto sport 2019年3月1日号 No.1500より転載


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