イギリスのライトウエイトスポーツカービルダーのケータハムは5月24日(水)、将来の完全電気自動車『SEVEN(セブン)』のための技術開発コンセプトカー『EVセブン』を発表した。
EVセブンは、既存のセブンアーキテクチャー、具体的には大型のセブンシャシーを使用し、そこに最先端のバッテリー技術とパワートレインが組み込まれた新しいライトウェイトコンセプトだ。
この新しいコンセプトカーは、軽量な電気自動車の実現可能性を検証するものであり、EVセブンの登場はイギリスのメーカーが、ガソリン車と同様にドライバーに焦点を当てたバッテリー電気自動車(BEV)を市場に投入することに一歩近づいたことを意味する。
1990代初期の『セブンJPE』のエンジン開発者であるスウィンドン・パワートレイン社と共同開発されたEVセブンには、同社の専用EAxleが採用され、ケータハムの長年の技術パートナーであるモチュールが供給する誘電性流体を使用した液浸冷却式バッテリーパックが組み合わされている。
従来のエンジンルームとトランスミッショントンネルに収納される容量51kWhの液浸冷却式バッテリーは、最大152kWのDC急速充電に対応。電気モーターは最大出力240bhp(約243PS)/9000rpm、最大トルク250Nmを発生する。0-60mph(0-100km/h)加速は約4.0秒が見込まれており、これらの動力性能を示す数値はセブン485/480の性能特性に対応するように設計されているという。
「私たちが将来生産するEVモデルは、ケータハムのDNAである、軽量で“fun-to-drive”、ドライバーに焦点を当てたものでなければならない。このプロジェクトの主な目的は、従来のセブンに比べて乗客一人分の重量差しかない車両を開発することだ。1トンのセブンを発売することは決してありえないし、そんなことはしたくない」と語るのは、ケータハムのボブ・レイシュリーCEO。
同氏の言葉どおり、EVセブンの車重は市販されているセブンからわずか70kgしか増えておらず、総重量は700kg未満に抑えられている。それは大きなバッテリーを積まないことを意味するが、EVセブンは“20-15-20”サーキット走行のサイクルを繰り返し行うことが可能だ。
20-15-20とは、20分間サーキットを走行し次の15分間で充分なエネルギーを充電。その後さらに20分間走行できる能力を意味する。