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国内レース他 ニュース

投稿日: 2018.11.01 22:56
更新日: 2018.11.01 22:59

【インタビュー】「もう一度ヨーロッパへ行きたい」日本での経験で成長を遂げた笹原右京の目指す位置

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国内レース他 | 【インタビュー】「もう一度ヨーロッパへ行きたい」日本での経験で成長を遂げた笹原右京の目指す位置

 2018年、全日本F3選手権にThreeBond Racingから参戦し、ルーキーイヤーながら9回の表彰台を獲得し、ランキング3位につけた笹原右京がオートスポーツ編集部を訪問し、2018年シーズンと日本でレースを戦った3年間、そして今後の目標について語った。

 笹原は1996年群馬県生まれ。幼少期からF1ドライバーを目指しカートを始め、2009年にはJAFジュニアカートFPジュニアクラスでチャンピオンを獲得すると、その年のロータックス・マックスグランドファイナルで世界一に。翌年からはヨーロッパで戦い、2015年までフォーミュラ・ルノー2.0やヨーロピアンF3に参戦するなど、欧州でその速さを鍛えてきた。

 2016年、笹原は心機一転し帰国すると、多くのホンダのドライバーを輩出してきた鈴鹿サーキット・レーシングスクール(SRS)に入校する。ヨーロピアンF3のスポット参戦等もあったが、1年間をスクールで過ごし、17年はFIA-F4に挑戦。宮田莉朋とのチャンピオン争いに惜しくも敗れたが、SRS卒業生のなかでトップとなるランキング2位で終え、18年は全日本F3にステップアップした。

■チームとともに改善してきた一年に充実感

 笹原にはまず、初めてフルシーズンで参戦したF3の一年の感想を聞くと、「最終的なランキングは3位で、当然やるからにはチャンピオンや優勝を目指していたので、悔しい思いは大いにあるシーズンでした」と振り返る。

 ただ、「今までのシーズンとはちょっと違う一年だったかな、という気がしています」と笹原は続ける。いったいどう違ったのだろうか?

 今季、チームは笹原の参戦にあたり、新車のダラーラF318を用意した。ただ、アレックス・パロウを擁し戦っていた昨年後半戦からは苦戦を強いられていたチームだけに、「今年も苦戦するのは予想していましたが、想像以上に厳しい序盤でした」と振り返るとおり、序盤2ラウンドではかろうじてポイントを得るほどの成績に留まってしまう。

「でもそこからはチームにも改善を求めていき、自分としても強いことを言ったり、チームの皆さんにも迷惑をかけたかもしれません(苦笑)。でも皆さんが少しでも良くなるために、勝つためにと意見を聞いてくださって、僕が望む状態を再現しようと頑張ってくれました」と笹原は言う。その甲斐あって、第5戦富士で初めて表彰台とファステストラップを記録すると、そこからは表彰台争いの常連に。コンディションによっては、今季圧倒的な強さをみせたカローラ中京 Kuo TEAM TOM’S勢に食い込む位置を走った。

「もちろんチームみんなの努力がなければ叶わなかったことですが、一年間を通してここまで改善できた、ここまでもってこられたということは、達成感というか、充実感というか……やり切った印象がありますね」

「正直、1勝もできないシーズンはやっぱり辛いです。自分の中で許せない」という笹原だが、1年間を通じてチームと協力し改善し、最終的にトップが見える位置までチーム力を上げた一年というのは、笹原にとっては“いつもと違う一年”だったということだ。

今季のF3を振り返る笹原右京
笹原右京(THREEBOND)


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