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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.09.10 00:57
更新日: 2022.09.14 01:02

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート

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国内レース他 | Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート

Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT

2022 Round.05  MOTEGI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第5戦 モビリティリゾートもてぎ
2022年9月3日(土)〜9月4日(日) 決勝レース結果:7位

スポーツ走行/専有走行
9月1日(木) スポーツ走行 天候:曇り/雨 路面:ハーフウエット
9月2日(金)専有走行1回目/2回目 天候:雨/曇り 路面:ウエット/ハーフウエット

 第3戦SUGOこそ表彰台を獲得したものの、第4戦オートポリスでは序盤まさかのブレーキトラブルに見舞われ、遅れが響くかたちとなってしまったPorsche Team EBI WAIMARAMA。シーズン後半戦を迎えなんとか結果が欲しいところだが、迎える第5戦の舞台はモビリティリゾートもてぎ。2021年は開幕戦の舞台として行われ、嬉しい優勝を飾った思い出の地だ。2021年の再現を目指すべく、9月1日(木)からの特別スポーツ走行に臨んだ。

 この日は曇り空ながら非常に蒸し暑いコンディションで、ドライバーにもスタッフにも辛い初日となったが、明けて9月3日(金)は一転気温も低めで、朝から雨模様。午前10時45分から行われたグループ1/Xの専有走行はウエットコンディションのなか行われた。Porsche Team EBI WAIMARAMAは千代勝正がウエットのなか4周だけ走り、2分15秒372というタイムを記録した。

 午後1時から行われた全クラス混走の専有走行までに雨は止み、曇り空での走行となったが、路面はハーフウエット。今回も千代から走行を開始し、KIZUNA、山野直也、そして大草りきと交代しながら周回を重ね、最後はふたたびKIZUNAがドライブしたが、途中ST-5クラスの車両のクラッシュによる長い赤旗中断があるなど、難しい状況のなかでの専有走行となった。

 それでも午後の専有走行では2分01秒956というタイムで、ST-Zクラスの3番手に。2日間3セッションの走行を終え、ブレーキなどをトライしながら翌日の予選に向け準備を整えた。

ウォームアップ/公式予選
9月3日(土) ウォームアップ 天候:曇り 路面:ドライ
9月3日(土) 公式予選 天候:曇り 路面:ドライ

 迎えた予選日は、2日前と同様曇り空で湿度が高いコンディションとなったが、午前10時からのウォームアップ走行を経て、午後1時から公式予選がスタートした。まずAドライバー予選に臨んだKIZUNAは、2分04秒777を記録。さらにBドライバー予選では千代がアタックを決め、2分00秒838というタイムで2番手につけ、合算で4番手という好位置につけた。

 ただ続くCドライバー予選の際、山野のアタック中に最終ビクトリーコーナーの立ち上がりで突如挙動が乱れ、アウト側のバリアにヒット。車両はわずかにダメージを受けたが、加えて山野も腕を痛めてしまった。続くDドライバー予選の大草のドライブ中、やや車両に異常が感じられるも、幸い大草はタイムを記録することができた。チームは決勝に向け、車両の修復を進めていった。

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート

決勝レース
9月4日(日) 決勝 天候:晴れ 路面:ドライ

 9月4日(日)の決勝日、薄曇りながら晴天のもと、もてぎには1万人のファンが訪れ、賑わいをみせるなか午前11時、決勝レースのスタートが切られた。Porsche Team EBI WAIMARAMAは“ストラテジスト”の千代が考え抜いた作戦をもとに、千代自らがスタートドライバーを務めた。

 レース序盤、ST-Zクラスのライバルたちは激しい争いを展開していくが、千代は自らのペースを守りながら戦いを進めていく。もてぎはブレーキとタイヤに厳しく、また暑さもある。消耗が激しいコースだが、ポルシェ718 ケイマン GT4 RS クラブスポーツの特性を理解している千代は、ブレーキとタイヤをセーブしながら戦況を見極めると、9周目に1台をパス。14周目、17周目にひとつずつポジションを上げ、トップを走る#21 アウディに狙いを定めた。もてぎが得意な若手が駆る#21 アウディだが、千代はサイド・バイ・サイドのバトルを仕掛け、23周目についにこれをオーバーテイク。ST-Zクラスのトップに出る。

 千代はその後もマージンを広げ、1時間半近いロングスティントをこなすとピットイン。山野直也にステアリングを託した。山野はステディな走りでリードを守りに行くが、交代して5周ほどを過ぎたころ異変が襲った。

 718 ケイマン GT4 RS クラブスポーツは市販車同様、7速のデュアルクラッチトランスミッション『PDK』を使用するが、山野のドライブ中、1速、3速、5速、7速と奇数ギアしか入らなくなってしまったのだ。46周を終え山野は一度ガレージに戻りチェックを行い、ふたたびピットアウトしたが、やはり症状が治らない。ポルシェセンターのディーラーメカニックたちは急ぎトラブルを特定するべく市販車のデータももとに調査を行い、再度山野を呼び戻した。

 ここで718 ケイマン GT4 RS クラブスポーツにPCを繋ぎコンピューターのエラーを解決すると、再コースインした山野から「直りました!」と無線が入る。ただ二度の作業で大きな遅れを喫してしまった。優勝争いは絶望的で、ここからは淡々と追い上げを図るレースとなってしまった。

 山野はふたたび2分5〜6秒台にラップを戻し、78周を終えピットイン。KIZUNAに交代する。レースは後半に入りコンディションも変化しつつあったが、KIZUNAは連続して2分7秒台をマークするなど好調なペースで周回を重ね、105周にピットイン。チェッカードライバーの大草は交代後2分03秒504というタイムを記録するなど好ペースのまま132周のチェッカーを受けた。

 結果は4周遅れの7位。タラレバは禁物だが、二度のガレージインがなければ埋まっていたギャップだ。決勝中のペース、特にKIZUNAの今回のペースがあれば、昨年の再現も可能だった。それだけにトラブルが悔やまれる一戦となった。シーズンは残り2戦。持てるパフォーマンスを結果にできるチャンスは少なくなってきた。

DRIVER COMMENTS
KIZUNA キズナ

「自分自身の決勝レースでのスティントについては、少しずつ理解を深めてしっかりとこなすことができました。もちろんタイム差をいかに縮めるかという悩みはあったのですが、自分の走りについては満足しています。他クラスとの混走についてもうまくこなすことができたのではないでしょうか。ただ決勝の結果としては悔しいですね。もちろんレースですから何が起きるかは分かりませんが、富士からオートポリス、そして今回とトラブルがあって結果が残らないのは残念です。次戦こそそうならないよう願うばかりですね」

KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「このコースはブレーキとタイヤのマネージメントが重要で、僕たちのケイマンはその点で優位にあると思っていたので、セーブしながら良いペースで走ることができました。着実にポジションを上げられましたし、思ったとおりの展開にできましたが、トラブルが起きてしまって。ここ数戦勝てるポテンシャルがあるのに、それを結果に繋げられないことが続いています。チームも毎回検証と対策をしてくれていますが、今回のトラブルは初めてのことでした。KIZUNA選手も良いペースだったので、何もなければ勝てていたと思います」

NAOYA YAMANO 山野 直也
「また勝てるレース、表彰台に乗れるレースを落としてしまいました。スタートから千代選手が素晴らしい走りで1台ずつ抜き、トップに立ってくれました。僕のスティントではリードを守り、ギャップを広げようとしたのですが、ミッショントラブルが起きてしまいました。こういった症状は初めてだったのですが、我々のディーラーメカニックが二度の作業で解決してくれ、そこからは良いペースで走ることができました。これもレースですが、メカニックたちと原因を究明し、次戦こそレースを落とさないようにしたいですね」

RIKI OKUSA 大草 りき
「いつもどおりクルマの調子が良いのは、決勝レースのペースを見れば明らかだと思います。ただ、この3戦連続でトラブルが起きるレースが続いてしまっています。悔しいですね。この点については僕たちドライバーにはどうしようもないので、モヤモヤしてしまっていますが、勝てるポテンシャルがあるのは間違いありません。トラブルが起きなかったときに、勝つ位置につけていられるかが重要だと思っています。そこに向けて、チームみんなでしっかりと準備して残り2戦に臨んでいきたいと思っています」

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート
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