レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

国内レース他 ニュース

投稿日: 2023.06.23 15:21
更新日: 2023.06.23 15:33

B-Max Racing Team 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 レースレポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


国内レース他 | B-Max Racing Team 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 レースレポート

フラガ選⼿が初優勝、⽊村選⼿はポイントリーダーの座を堅持

 B-Max Racing Team(チーム総代表・SFL チーム代表 組⽥⿓司)は、6⽉17〜18⽇、スポーツランドSUGO ⾏われた全⽇本スーパーフォーミュラ・ライツ選⼿権第4〜6戦に参戦し、今季から参戦のイゴール・オオムラ・フラガ選⼿が第6戦で初優勝。⽊村偉織選⼿は2度の表彰台で着実にポイントを重ね、ポイントリーダーの座を守りました。

 マスタークラスは、開幕⼤会とは逆に、今⽥信宏選⼿が2勝、DRAGON 選⼿が1勝を挙げ、ここまでともに3勝。シリーズポイントでも僅か1ポイント差となりました。

■第4、5戦予選(6⽉17⽇(⼟)午前11時00分〜11時30分)

 梅⾬とは思えない好天に恵まれた予選⽇。気温30度を超えるという暑さのなか予選がスタート。⽊、⾦曜⽇の専有⾛⾏がほとんどウエットコンディションだったため、開幕⼤会に続いてドライの⾛り込みが⼗分ではないままに予選となりました。

 第4戦の予選は、滑り出しから3台ともに1分15秒台前半をマークして好調さを窺わせましたが、残り2分となってからのアタックでは、トップにあと⼀歩及ばずフラガ選⼿が2位、⽊村選⼿が3位、ビダーレス選⼿が6位となりました。

 第5戦の予選は、⽊村選⼿が気迫の⾛りで、第4戦より⼤幅にタイムアップを果たしましたが、僅か100分の7秒届かず2位。フラガ選⼿とビダーレス選⼿はタイムを⼤きく伸ばすことはできず4位、7位。抜きどころの少ないコースで、難しい位置からのスタートとなりました。

■第4戦決勝(6⽉17⽇(⼟)午後3時55分〜26周)

 午後4時近くになっても、暑さが和らぐことはなく、夏のような⽇差しのなかスタートを迎えました。上位陣は、ほぼグリッド順のまま、フラガ選⼿2位、⽊村選⼿3位で1〜4コーナーをクリアしますが、6位のビダーレス選⼿は4コーナーでインに⾶び込んできた古⾕選⼿と接触。古⾕選⼿がグラベルにストップしたため、セーフティカーが導⼊されました。

 ⼀旦ピットでダメージをチェックしてレースに復帰したビダーレス選⼿は、リスタート後、8位まで順位を回復しますが、ピット出⼝の信号無視でドライブスルーペナルティが課され、これでポイント獲得の可能性は絶たれてしまいました。

 膠着状態となったレースのなかで、フラガ選⼿と⽊村選⼿は2位争いを展開しますが、順位変動には⾄らずフィニッシュ。優勝はなりませんでしたが揃って表彰台に上がりました。

2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4戦の表彰式
2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4戦の表彰式

■第5戦決勝(6⽉18⽇(⽇)午前9時00分〜19周)

 ⽊村選⼿は、2位をキープして1〜2コーナーをクリアしますが、2列⽬スタートのフラガ選⼿は出遅れてしまい、逆にビダーレス選⼿はうまく前に出ることに成功。1周⽬は2位⽊村選⼿、5位ビダーレス選⼿、6位フラガ選⼿の順でコントロールラインを通過。⽊村選⼿はこのレースのファステストを記録しながら、トップの平良選⼿を執拗に攻めますが、ドアは開かずにレースは進みました。

 9周⽬のSPコーナーでマスタークラスの畑選⼿がコースオフ。フロントウイングがコース上に脱落したためセーフティカーが⼊りました。13周終了時にリスタートが切られ、⽊村選⼿は最後までチャンスを窺いましたが、前に出ることはできずにチェッカーとなりました。ビダーレス選⼿、フラガ選⼿もポジションをキープしたままフィニッシュし、3⼈揃ってポイントを獲得しました。

■第6戦決勝(6⽉18⽇(⽇)午後0時20分〜19周)

 第1戦の結果がグリッドとなるため、フラガ選⼿、⽊村選⼿、ビダーレス選⼿は2、3、11番グリッドからのスタート。レースは⽊村選⼿がやや出遅れる形で始まりますが、スタートを狙っていた⽊村選⼿は、シグナルがブラックアウトする前に僅かに動いてしまい、4周を終えたところでドライブスルーペナルティが課されてしまいました。

 レースは第4、5戦同様に平良選⼿が逃げますが、終盤16周⽬に平良選⼿にトラブルが発⽣し僅かにスローダウン。17周⽬には症状がさらに顕著になり、⾺の背コーナーでついにフラガ選⼿がトップに躍り出ました。フラガ選⼿は残る2周半をきっちり⾛り切り、初優勝のチェッカーを受けました。最後まで諦めずに⾛ったビダーレス選⼿は6位まで追い上げ貴重な1ポイントを獲得。⽊村選⼿はスタートのミスが悔やまれる結果となりました。

■50、51号⾞チーム監督 高木真⼀コメント

「偉織選⼿は、予選ではクルマのポテンシャルを概ね出し切れたと思います。第4戦に関してはちょっとバランスが悪かったのですが、第5戦はアジャストして、ポール争いができるところまで持っていくことができました。決勝も第4、5戦はスタートも良く、ポイントリーダーという⾃覚を持って無理せず表彰台を獲得しました」

「第5戦では『今からファステストを取りに⾏きます』と⾔う余裕もありました。最後のレースはフライングをしてしまい課題が残るレースとなりました。
デビッド選⼿は、⾬の練習⾛⾏は抜群に速かったのですが、突然の夏のようなコンディションになって、ドライでは少しセッティングとドライビングに迷いがあったように思います。それでも、第2レースではうまく修正して良いパフォーマンスで⾛れ、予選さえうまくいけばと思わせる内容でした。次はテストで経験済みの鈴⿅ですので期待しています」

■52号⾞チーム監督 松浦孝亮コメント

「2⼤会⽬で勝てたのはすごく嬉しいですね。結果的には運もありましたが、あの位置にいたから⼿に⼊れることのできたものですし、素直に喜びたいと思います。B-Maxレーシングのサポート、偉織選⼿やデビッド選⼿のフィードバックなど、3台体制であることが、参戦1年⽬のイゴールにとっては⼤きなプラスになっていると思います。イゴールにとっても久しぶりの優勝ですし、初めてのSUGOで勝ったということが⾃信になって、次からはもっと攻めた⾛りができるようになると思います」

■50号⾞ドライバー ⽊村偉織選⼿コメント

「良いところもあり、悪いところもありという週末でした。レースに臨むための準備はしっかりしてきましたが、レースを終えて反省点も多く残りました。特に、最後のレースは欲張った結果が、あのようなスタートに繋がってしまいましたので、『欲張らない』という教訓を肝に銘じて、今後はどんな状況でも気持ちをぶらすことのないよう、冷静に淡々といくことを⼼掛けたいと思います。調⼦の悪いときにこそ⾃分の真価が問われる、ということを改めて気付かされたレースでした」

■51号⾞ドライバー デビッド・ビダーレス選⼿コメント

「難しい週末でした。初めてのコースでしたが、⾛り始めからドライでもウエットでも速さを⽰すことができました。ところが、予選になると⼗分なグリップが得られず、クルマのバランスが、チームメイトとは⼤きく異なってしまいました。何かうまくいかない原因があることは明らかです。レースになるとペースは⾮常に良く、ラップタイムは常にレースリーダーからコンマ1 秒以内で⾛ることができていました。鈴⿅では同じことが起こらないように、そして私たちに相応しい結果が得られることを願っています」

■52号⾞ドライバー イゴール・オオムラ・フラガ選⼿コメント

「幸運があって勝利することができましたが、初優勝を素直に喜びたいと思います。チームは良いクルマを⽤意してくれて、練習からノートラブルだったことも勝利に⼤きく貢献していると思います。チームのみんなに感謝しています。ラッキーとはいえ、優勝はチームのモチベーションにも繋がりますので、⾮常にポジティブにとらえています。次は、⾃分のスピードを⾒せて、誰もが認めるような勝ち⽅ができればと思っています」

2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 イゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)
2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 イゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)

マスタークラス

■第4、5戦予選

 両予選ともに、今⽥選⼿が速さを⾒せましたが、畑選⼿がかなり⾁薄しました。第4戦では最後のアタックで今⽥選⼿に100分の5秒差まで迫り、第5 戦では最後に今⽥選⼿が意地を⾒せて逆転するまで、誰もが畑選⼿のクラスポールを信じていました。唯⼀TOMEIエンジンを使⽤するDRAGON選⼿は、セットアップの遅れからふたりに引き離され、苦しい予選となりました。

■第4戦決勝

 セーフティカーランが明けた9周⽬から徐々にリードを広げた今⽥選⼿は、12周⽬には後⽅で競り合うDRAGON選⼿と畑選⼿との差を3秒にまで開き、早くも安全圏に逃げると、チェッカーまで安定した⾛りを⾒せクラスウイン。熾烈を極めた2位争いは、18周⽬の1コーナーで畑選⼿が前を⾏くDRAGON選⼿のインに⾶び込み、あわや接触という場⾯もありましたが、以降は両者の差が広がりフィニッシュを迎えました。

■第5戦決勝

 1周⽬にDRAGON選⼿に先⾏された今⽥選⼿でしたが、2周⽬にポジションを取り戻すと、その後は今⽥選⼿が逃げ、その後⽅でDRAGON選⼿と畑選⼿が競り合うという第4戦と同様の展開になりました。前戦と同じ轍は踏まないと、8周⽬にベストラップをマークして2位の座を奪った畑選⼿でしたが、9周⽬のSPコーナー⽴ち上がりで痛恨のコースオフ。縁⽯にヒットしてフロントウイングを失い万事休す。ピットでリタイアとなりました。今⽥選⼿はファステストラップも記録し連勝、速さを取り戻しつつあるDRAGON選⼿が連続2位となりました。

■第6戦決勝

 グリッド後⽅に総合を争う若⼿ドライバーがいたことが、3連勝を狙っていた今⽥選⼿にとって悪い⽅向に働いてしまいました。若⼿にラインを譲った際にタイヤカスを拾ってしまったことでグリップを失い、今⽥選⼿は序盤からずるずると後退してしまいました。

 労せずして2周⽬に今⽥選⼿をかわしたDRAGON選⼿は、コンスタントに1分18秒台を刻む快⾛を⾒せ、折り返しとなる10周⽬には2位の畑選⼿に10秒の⼤量リードを築きました。

 DRAGON選⼿はその後も⼿を抜くことなく⾛り切り、今⼤会において今⽥選⼿に⼀⽮報いる勝利をあげました。今⽥選⼿は中盤以降ペースを取り戻しますが、畑選⼿に僅かに届かず3位。この結果、ここまで3勝ずつとなった今⽥選⼿とDRAGON選⼿のポイント差は僅かに1点。このふたりの⼀騎討ちに畑選⼿が絡むことで、チャンピン争いが⾯⽩くなってきました。

2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 DRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)
2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 DRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)

■4号⾞ドライバー 今⽥信宏選⼿コメント

「⽊、⾦曜⽇の練習⾛⾏は⾬で、⼟曜⽇がドライになりましたので、予選は攻めきれなかったという反省はあります。でも、クルマの仕上がりは⾮常に良く、第4、5戦は後ろでDRAGON選⼿と畑選⼿が競ってくれたこともあって、楽なレースをさせてもらいました。⾒る側はつまらないかもしれませんが、ああいう展開が良いですね。第6戦は、若⼿を前に出すためにラインを外したことで、ピックアップ(タイヤカスがタイヤに付着)してしまい、まったくペースを上げることができませんでした。終盤はそれが取れてペースを戻すことができましたが、時すでに遅し、でしたね」

■30号⾞ドライバー DRAGON選⼿コメント

「ギヤレシオなどセットアップが他⾞と違うので、どうしても出遅れてしまう⾯があります。過去の戦績を⾒て、エンジン特性の違いからたぶんSUGOが⼀番苦⼿なコースだろうとは思っていました。でも、必ず良いセットがあるだろうと探っていき、尻上がりに良くなっていきました。前2レースは完敗でしたので、その分、第6戦はぶっちぎってやろうと最後まで⼿を抜かずに攻め続けました。⼤差で勝つことができてすっきりしました。これで今⽥選⼿とほぼポイントが並んだと思いますが、この接戦状態のままシリーズ終盤までいきたいですね」

■53号⾞ドライバー 畑享志選⼿コメント

「第5戦は⾮常にペースも良かったので、頑張りすぎた結果、⾶び出してしまいました。腹を打ってしまったので、モノコックにクラックが⼊ってしまい、その影響で、第6戦ではアンダーやオーバーが出て、⾮常に不安定な状態でした。鈴⿅に向けて早急にクルマを直さないといけないですね。ただ、スポットで出たレースから2年ぶり、ドライをほとんど⾛っていないなかでのレースということを考えると、我ながらよくやっていると思います。次の鈴⿅は、クルマに慣れればもう少しいけると思います」


関連のニュース