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国内レース他 ニュース

投稿日: 2017.03.16 13:40
更新日: 2017.03.16 16:23

ツインリンクもてぎで幕を開けるスーパー耐久。2レース制で激戦必至のバトルに

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国内レース他 | ツインリンクもてぎで幕を開けるスーパー耐久。2レース制で激戦必至のバトルに

 2017年シーズンも、スーパー耐久シリーズはツインリンクもてぎから幕を開ける。近年は参加型レースとしてエントラントから高く評価され、年間エントリーが60台を突破。パドックは大いに賑わいを見せるようになった。

 その一方で、それだけ増えた台数をどうこなすかという、うれしい悲鳴的な問題も生じ、昨シーズンまでもてぎでのレースは5時間耐久を開催することでクリアしてきた。

 今シーズンの開幕戦は、さらにエキサイティングなレースを開催すべく、200分耐久に凝縮し、クラスをふたつに分けた2レース制を採用する。2レース開催における最大のメリットは、トラフィックの緩和と速度差の抑制だ。いずれも安全性の向上を狙ったものだが、相乗効果としてバトルの激しさも増すこととなった。

 さまざまなクラスの車両が一斉にレースをするのがスーパー耐久の魅力のひとつだが、ST-XクラスのFIA-GT3と、ST-5クラスのコンパクトカーとでは最高速で、ほぼ100km/hの差が生じている。

 ドライバー間のマナー向上も近年は著しく、重大なアクシデントは発生していないとはいえ、2レース制にすることでリスクを抑えることになる。クラス数が減ることで、同じクラスのライバルとの対決に、より専念できるようになるメリットも生まれる。速い車両は絶えず抜き続ける、逆に遅い車両は絶えず抜かれ続けるリスクが一気に軽減したからだ。

 加えてワンメイク供給されるヨコハマのレーシングタイヤは、当然イコールコンディションを保ち、なおかつロングライフが自慢だ。そのためタイヤマネージメントせず、最後までハイペースでの走行が可能となる。 開幕戦もてぎでも、クリーンかつハイレベルなバトルが土曜と日曜の両日に味わえるだろう。

 土曜に行われるレース1は、ST-Z/ST-R/ST-1/ST-2/ST-5の5クラスによって競われる。

 ST-ZクラスとST-Rクラスは今シーズンから新設されたクラスで、それぞれFIA-GT4とTCRによって争われる。FIA-GT3同様、自動車メーカーによって開発され、誰でも購入できるレーシングカーの名称で、FIA-GT4はよりライトチューニングのGTカーだ。開幕戦での参戦車両はないが、これからFIA-GT3同様に参加台数の増加が期待される。

 TCRは世界ツーリングカー選手権(WTCC)を頂点とするツーリングカーとなる。開幕戦では、ST-Rクラスには2車種、4台がエントリーする。アウディRS3 LMSを走らせるのは、Audi Team Dream Driveと、これまでシリーズ常連チームとしてST-5クラスで戦っていたBRP/バースレーシングプロジェクトだ。

 もう1車種は、WTCCにも参戦するホンダ・シビック・タイプR。DOME Racingがこの車両で参戦予定だ。WTCCのシビックも手がけるJ.A.Sモータースポーツ製作の車両となり、注目が集まっている。

 それぞれの戦闘力は未知数。 2リッターのターボエンジンを積むため、混走するST-5クラスをはじめ、ほかのクラスの車両との戦闘力の差はどうなのか、そしてどんな走りを披露してくれるのか、開幕戦ならではの楽しみな一面だ。

 レース1では、トップ争いが予想されるST-1クラス。今回はST-2クラスから移行のapr、そしてシリーズ常連であるBENDのBMW Z4Mクーペによる一騎打ちとなる。

 aprが走らせるのが昨シーズンのクラスチャンピオン、D’station Racingから譲り受けたポルシェ911GT3 Cupだ。もとよりカップカーは信頼性に優れ、ドライバーフレンドリーであることで知られるが、実績ある車両となれば、よりそのあたりが強調される。長年のレーシングユースで鍛え上げられたZ4との対決は期待が膨らむ。

大澤学/後藤比東至組のDAMD MOTUL ED WRX STI
大澤学/後藤比東至組のDAMD MOTUL ED WRX STI

 四輪駆動車によって争われるST-2クラス。最大の焦点は、昨年のランキングトップ3がいずれも不動の体制で挑んでいることだ。5連覇の期待がかかるTOWAINTEC RacingはスバルWRX STIを大澤学と後藤比東至のコンビ。王座奪還が悲願のRSオガワは、三菱・ランサーエボリューションXを下垣和也、松本武士、近藤説秀組で。そして昨シーズンは2勝を挙げ、今シーズンは悲願の初戴冠を狙うシンリョウレーシングもまた、ランサーエボXを冨桝朋広、菊地靖、大橋正澄組で挑むこととなった。

 昨シーズンは、それぞれにアクシデントも多く、本領を発揮できたシーズンではなかった。古豪チームだけに、同じ轍は踏むまいだろう。よりレベルアップした戦いを、開幕戦で期待できそうだ。そして、四駆同士の戦いとあって、ウエットコンディションでは、他のクラスの車両を圧倒する走りをみせることも注目だろう。


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