技術ウォッチャーの世良耕太氏が、2017年のF1新車、ザウバーC36の気になるポイントを解説。全体としてはごくオーソドックスなまとまりも、搭載された16年型のフェラーリ製パワーユニットがネック。
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ザウバーC36の外観で目を引くのはブレード状のロールオーバー構造だ。円環状にするのが一般的だが、ザウバーの説明によれば軽量化を狙ってブレード状にしたという(写真1)。
ロールオーバー構造(テクニカルレギュレーション上の表記はプリンシパルロールストラクチャー)は車両がひっくり返ったときにドライバーを保護する目的で設けられている。当然、高い強度が必要で、横方向に50kN、後ろ方向に60kN、鉛直方向に90Nmの成分、つまりフロント側斜め上方から加える合力として120kN、約12トンの静荷重を掛けるテストをクリアしなければならない。
厳しい静荷重テストに耐えるだけの強度を持たせるため、軽くて強いチタン合金でインダクションポッドを兼ねた円環状のパーツをつくり、それをCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)製のモノコックに接着したり、モノコックと一体で設計したりする。ザウバーがどの方法でロールオーバー構造を成立させているかは不明だが、円環状にして必要な強度を確保するより、ブレード状にした方が強度を確保しやすく、その分軽量化できるというわけだ。
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