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F1 ニュース

投稿日: 2017.03.20 14:32
更新日: 2017.03.20 15:09

【F1新車分析】ハースVF-17:攻めたマシン作りで、参戦2年目のシーズンは“ぬかりなし”

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F1 | 【F1新車分析】ハースVF-17:攻めたマシン作りで、参戦2年目のシーズンは“ぬかりなし”

 なぜこんな手の込んだことをしたかというと、フロア前端コーナー部は、ダウンフォースを稼ぐホットスポットのひとつだからだ。ハースもそのことを重要視し、フロア・サイド部の処理にひと手間かけたのだろう。

写真5:コクピット脇のフィン/写真6:サイドポンツーン前縁にある空力デバイス/写真7:特徴的なコの字形の空力デバイス/写真9:下辺に凝った処理を施したバージボードの別バージョン
写真5:コクピット脇のフィン/写真6:サイドポンツーン前縁にある空力デバイス/写真7:特徴的なコの字形の空力デバイス/写真9:下辺に凝った処理を施したバージボードの別バージョン

 バージボード~ポッドウイングまわりの処理をあっさり済ませている上位チームがあるなかで、ハースは開幕前の段階から手の込んだ処理を施してきた。コクピット脇のフィン(写真5)はフェラーリと同様で、フロントウイングが跳ね上げた空気を、後方(サイドポンツーン開口部に向かう?)でもう一度使えるよう下向きの流れに切り換える役割を果たしているのだろう。

 サイドポンツーン前縁にある空力デバイス(写真6)はトロロッソの水平フィンと同様で、前縁スラットと同様の役割を担っているものと推察できる。すなわち、隙間から圧力の高い空気を抜き、サイドポンツーン上面あるいは側面に導く役割だ。この空力デバイスはコの字形になっており、フロアまで伸びずに途中で終わっているのが特徴だ(写真7)。

写真8:バージボードは、ローンチ仕様の複葉タイプ
写真8:バージボードは、ローンチ仕様の複葉タイプ

 フロア下に流す縦渦の制御に用いるバージボードは、ローンチ仕様の複葉タイプ(写真8)の他に、下辺に凝った処理を施した別バージョン(写真9)もテストしていた。バルセロナでは流行のTウイング(写真10)もテストしており、2年目のシーズンに向けて「ぬかりなし」といった印象である。


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