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F1 ニュース

投稿日: 2017.03.21 12:04
更新日: 2017.03.21 13:39

【F1新車分析】フェラーリSF70H:シンプルなレッドブルと対極にある設計思想

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F1 | 【F1新車分析】フェラーリSF70H:シンプルなレッドブルと対極にある設計思想

 技術ウォッチャーの世良耕太氏が、2017年のF1新車、フェラーリSF70Hの気になるポイントを解説。様々な空力デバイスが装着されたフェラーリのニューマシンは一見煩雑な印象を受けるが……。 

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 1枚の写真にフェラーリSF70Hの見どころが凝縮されている。世界を代表するスーパーカーブランドらしくない煩雑な印象を受けるが、「格好なんてどうだっていい。速ければいいんだ」というスタンスなのだろう。シンプルなレッドブルと対極にある。

写真1:モノコックの脇に3対のフィン/写真2:リヤビューミラーのステー/写真3:大胆なアンダーカット/写真4:大型のダクトを取り付けた構造/写真5:上面の開口部/写真6:大型のパネル
写真1:モノコックの脇に3対のフィン/写真2:リヤビューミラーのステー/写真3:大胆なアンダーカット/写真4:大型のダクトを取り付けた構造/写真5:上面の開口部/写真6:大型のパネル

フェラーリSF70H
フェラーリSF70H

 モノコックの脇に3対のフィンが生えている(写真1)。フロントサスペンションのアーム類と同じで、フロントウイングで発生したアップウォッシュ(上向きの流れ)をダウンウォッシュ(下向きの流れ)に切り換える役割を担う。

 フロントウイングで空気を跳ね上げたままではリヤで空力的に使える空気の量が減ってしまうので、車両ミッドエリアの空力デバイスで方向転換を行うのだ。局所的にはここでリフト(クルマを持ち上げる方向の力)が発生してしまうが、車両トータルのダウンフォースが増えるので、積極的に制御するわけだ。

 リヤビューミラーのステー(写真2)も空力的な役割を持っていることは間違いなく、その後方にある垂直のフィンも同様の役割を担っているのだろう。このエリアで制御した渦は、直進時にはリヤウイングにあたって邪魔をする。

 邪魔するとダウンフォースも減るがドラッグも減って最高速が伸びる。一方、コーナリング時はきれいな空気がリヤウイングに当たるよう制御しているはずだ。


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