VSCが宣言される前にはベッテルはハミルトンより約8秒先行していたが、ハミルトンがピットストップを行った次の周、すでにグリーンフラッグ下でピットインしたベッテルがピットから出てきた時、ハミルトンはすぐ後ろに迫っていた。
ターン1でぎりぎりのポジション争いをした後、残り22周の時点でベッテルは結局ハミルトンに首位の座を明け渡した。
「決勝中、通常のピットストップをするとかなりの時間を失う。コース上のマシンが通常のスピードで走っている時に、ゆっくりとピットレーンを走って停止すると、約21秒のロスになる。だがVSC中にはコース上の皆が低速で周回しているから、ピットストップによるロスが減る。全体的なデータは分からないが、実際のロスは12秒か13秒程度になる。かなりロスが少なくなるのだ」
ファーストスティントの終わりに、ベッテルはアンダーカットされることを避けるために早めのピットインを行い、新品ソフトタイヤを履いた。それによってハミルトンは不利な状況に陥ったとウォルフは言う。
そのため、メルセデスはハミルトンのために異なる戦略を選び、ソフトで長いスティントを走ってから、ミディアムに交換し、最終スティントで再びソフトを履いてプッシュさせることにしたという。一方のベッテルは最終スティントをミディアムで走った。
「ほぼ新品のソフトタイヤがアドバンテージになることは分かっていた。チャンスがあると知っていたのだ」とウォルフは語った。
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