汗ばむくらいの鈴鹿で、ルイス・ハミルトンは先週セパンにくらべたら半分も汗をかかなかっただろう。『レースに楽勝はない』が今季10勝目はそれに近い展開、スタートからすべてをコントロールできていた。
自己ベストタイムを見れば解る。1分33秒780は“6位相当”、昨日のコース新記録PP1分27秒319のなんと6.461秒落ち。PU予選モードとレース・モードの差異を加味しても、充分すぎる余裕を持って走っていたわけだ。ミハエル・シューマッハーのコースレコード記録は破ったがキミ・ライコネンの05年最速ラップ1分31秒540には“2.240秒”も及ばなかった。
セバスチャン・ベッテルがプラグ・トラブルによって自滅、飛ばす必要はもうない。2位マックス・フェルスタッペンを従えたまま、終始1分34秒台ペースのドライビング。
OBカメラ画面を注視していると鈴鹿サーキットではなく『SUZUKAハイウェイ』を走っているかのよう。ハミルトンの口笛が聴こえてきそうだった。信頼性もパフォーマンスもすべてゆとりあるメルセデスPUをまざまざと見せつけられた。
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