26周目を過ぎるとソフトタイヤでスタートした上位勢がピットインを始め、31周目には首位ナトもピットイン。これで15番グリッドからタイヤを保たせていたアルテム・マルケロフだけがタイヤ未交換で首位に立った。ここからマルケロフは1分22秒台前半のハイペースでプッシュし、実質トップのナトとのギャップを6秒から15秒まで広げる。そして停止車両の処理のために出されたVSC解除直後の38周目にピットインすると、なんとVSCのタイミングが有利に働いて、首位のままコースに復帰。驚きの自身GP2初優勝を飾ることになった。
松下は入賞圏内まで駒を進めて9位でフィニッシュしたが、7位のアントニオ・ジョビナッツィが再三に渡りヌーベルシケインでコースオフしながら順位を守っていたことが審議対象となり、5秒加算ペナルティが科されたため11位に降格。松下の最終結果は8位となった。
これによって28日(土)に行われる決勝レース2で、松下はリバースグリッドによってポールポジションからスタートすることになった。
「もちろん勝ちますよ。スタートさえ、ちゃんと決められれば負けないと思います。ビッグポイントが獲れれば、スペインから続いている悪い流れも、この気分も変えられると思う。いまは、それが一番欲しいんです」
ライバルのペナルティとリバースグリッドによるものとはいえ、苦境から這い上がって得たポールポジション。サポートレースを含めてもモナコGPで日本人ドライバーがポールポジションからスタートするのは初めてのことだ。伝統ある地で優勝する姿を、ぜひ見せてもらいたい。