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F1 ニュース

投稿日: 2018.02.01 16:11

【特集:F1マシンの誕生】開発スケジューリング(1)頻発する新車の再設計は時間との戦い

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F1 | 【特集:F1マシンの誕生】開発スケジューリング(1)頻発する新車の再設計は時間との戦い

 F1マシンの完成には、コンセプトの提案から冬のバルセロナテストで実車を走らせることにこぎ着けるまで、実に1年以上の歳月を必要とする。ルノーF1チームのテクニカル・ディレクター、ニック・チェスターへの独占インタビューを基に、F1マシン製作の全過程を「コンセプトを決める」「開発のスケジューリング」「F1マシンのデザインとは」「マシン製作」の4テーマにわたって紹介しよう。
 
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ニューマシンを設計するファクトリーのエンジニアたち

F1マシンの誕生

第2章「開発のスケジューリング」その1

 第1章で述べたように、F1マシンのコンセプトを考える際に最も難しいのは、異なるプログラムを同時並行的に始動させることだ。他の分野の進行状況をみすえ、自分の分野だけ勝手に進めるわけにはいかない。マシン全体がどんな形に仕上がっていくかを、各分野のエンジニアたちは常にきっちり把握する必要があるのだ。

 たとえばギヤボックスの開発エンジニアは、空力担当者からこんなことを言われるかもしれない。

「ディフューザーの形状を、変更しようと思ってる。そうするとこの領域でのダウンフォースが、一気に稼げることがわかったからね。その場合、ギヤボックスを小さくする必要があるんだが、それでも必要パーツを全部収納するケーシングを再設計するのは可能かな?もちろん機能や剛性は、犠牲にせずにね」

 ルノーF1のテクニカル・ディレクター、ニック・チェスターは、「開発中には、こんなやり取りはしょっ中だ」と語る。

「作業中に問題が出て設計をやり直す、あるいは逆にこうした方が絶対にマシンが速くなるという発見もある。特に空力分野では、風洞で新たな数値が出てきたら、全体の作業を遅らせてでもそれをぜひ取り入れたいと思いがちだ」


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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