──ホンダの市販車かバイクのなかで、気に入っているモデルはありますか?
「いつだってNSXがお気に入りなんだ。初代NSXは、とても手に入れたいと思わせるクルマだった。スーパーカーがほんの少ししかなかった時代に、クルマに興味を持っていた若者たちにとって、NSXは憧れの1台だった。最新のシビックタイプRもかなり好きだよ。道で見かけたときには、なかなか素敵だった。コンパクトでスポーティなクルマというのがいいね」
──今シーズン、チーム内でもっともエキサイティングな展望というのはどんなことですか?
「1年を通してホンダと共通のアプローチや目標を分かち合えること。21戦という厳しいカレンダーで、多くの挑戦がある。しかし私たちはどちらも強く成功を求めているし、シーズンに向けては段階を踏みながら、分かりやすいアプローチをしていく必要がある。どんな一歩を踏み出すときでも、それが正しいことを確認しつつ、急ぎすぎないようにしていくことを期待している。このようなレベルで協力していくということは、これまでのエンジンパートナーとはできなかったことだ。ホンダは私たちにとって初めての、真のエンジンパートナーだ。このプロセスを進めていくことと、前進を遂げていくことを楽しみにしている」
──2018年、トロロッソ・ホンダにとって、もっとも大きな挑戦はどのようなことになると思いますか?
「ホンダに成り代わって話すことはできないが、私たちサイドとしてはまだやるべき仕事は多くあるので、これからシーズンを築き上げていく必要があるね。最終戦よりも開幕時のほうが好調だというのがSTRの傾向ではあるが、それには開発のタイミングやリソースが関係している。こういったことに対しては分かりやすいアプローチを取ることが必要なんだ。最初の目標は根本的な部分を外さないことであり、私たちは現在、基礎部分を間違わないよう集中しているところだ。そこに、昨年のマシンよりも開発の余地がより多くあるものを積み上げていく。シーズンに向けてバランスの良いアプローチをすることが、私達にとってのより良いアプローチとなる。確実にそうなるようにしていくことこそが挑戦だ」
──メルボルンのレースがスタートする前は、どんな気持ちでいるでしょう?
「いつものメルボルンと同じだ。シーズン開幕前の大きな期待、初戦で何が起きるかという興味。メルボルンで予選を走り終えるまでは、誰にも何も分からない。そして実質的にはレースが始まるまでは、それほど多くは分からない。そこで、誰がどこの位置にいるかが本当に分かるんだ。極めて大きな期待があるとは思うが、マシンの準備を整えるということへのプライドもある。ホンダとの初めてのシーズンに立ち向かっていこう」
──シーズン終了後、どのような結果が出ていれば満足ですか?
「目標は設定しないことにしている。なぜならまだ多くの問題が未解決のままだからだ。それでも、2017年は勢力図に興味深い動きがあった。もともとは2チームが勝利を争っていたところに、3番目のチームも勝てるようになった。そしてそれを、多くの他のチームが追う形だ。ポイントは分散したが、競争力という意味ではそれぞれが非常に近かったのだ。そこから考えると、シーズンを4位から8位の間で終わらせたグループは、少なくともそのなかでのトップに立ちたがるだろうし、トップ3に食い込むことを望むだろう。私たちと対峙するチームの多くが、明らかにそこを目標としている。2018年にもそうした動きが見られるだろうから、どうなっていくかは非常に興味深い。2017年には(チームが)ふたつのグループに分かれていたようなものだからね」
「私たちの目標は、そのグループのなかでできる限りの競争力を発揮することであり、トップ3にできる限り近づくことだ。しかしそれは、このグループの誰もが持つ野望なのだから、どのチームがどこでシーズンをスタートするか、そしてどこでシーズンを終えるかが興味深いところだ」
おわり