スペインGPのフリー走行2回目で、ピエール・ガスリーが時速332kmという最速のスピードを披露した。だが、チームメイトのブレンドン・ハートレーが時速320kmということを考えると、スリップストリームに入って加速したものだと考えられる。ただし、ハートレーの時速320kmでも11番目に速い記録だ。
ストレートスピードというと、2週間前のアゼルバイジャンGPでの失速が思い出させる。レースがスタートし、直後に入ったセーフティカーが入ったアゼルバイジャンGP。
そのセーフティカーがピットロードに入り、レースが再スタートされた直後、入賞圏内にいたガスリーがどんどん順位を落として行った。その理由を田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクターは次のように説明した。
「エネルギーマネージメントが適切に使用できていなかった。バクーはほかのサーキットとは異なり、特有のセッティングが必要で、再スタート後にどこで加速していくかが読みにくいところがあった。次にバクーへ行ったら、同じ失敗をしないようにしたい」
日曜日のレースをテレビで見ていた人は、単純にホンダのパワー不足を心配したに違いない。だが、金曜と土曜のストレートスピード、そしてこのスペインGPの金曜日のストレートスピードを見れば、まだまだ改善しなければならない余地はあるものの、アゼルバイジャンGPの日曜日にテレビに映し出されたほど、ホンダPUの性能は悪くはない。
アゼルバイジャンGPの失速の原因は、PUのハード的な問題ではなく、バクー特有のセッティングができていなかったというのだ。