レッドブル・レーシング代表のクリスチャン・ホーナーは、F1モナコGP決勝で深刻なエンジントラブルを抱えながらも、スタートからリードを保ったまま優勝を飾ったダニエル・リカルドに惜しみない賛辞を贈った。
78周のレース中20周も走り終えていない時点で、リカルドは突然パワーを失ったとチームに報告した。チームはただちに、これがMGU-Kのトラブルによるものだと特定している。
トップを行くリカルドはわずかの周回数でリタイアせざるを得ないだろうと、エンジニアたちが予測したほどに差し迫った状況だったが、彼は沈着冷静だった。パワーが弱まったRB14のステアリングを握りながら数多くの仕事をこなし、その後の局面を自身の力で乗り切ったのだ。
ホーナーはイギリスの放送局Sky F1の取材に対して、リカルドの働きに大いに感銘を受けた様子で「彼はまるで日曜日の午後にドライブでもしているかのように、この危機を乗り切った」と語った。
「エンジニアたちは無線で『あと1、2周でマシンをリタイアさせなければならない』と告げてきたが、私は皆に『我々は今モナコGPでトップを走り、それを維持できている。適切な作業ができており、走れている。燃料もブレーキもタイヤもセーブできている』と伝えた。リカルドは今回、信じられないような走りを見せてくれたよ!」
ホーナーはリカルドが今回成し遂げた偉業について、以下のように説明した。
「彼はエンジンのパワーの約25パーセントを失った。そしてその後、PUの動作のせいでリヤブレーキの温度が著しく上昇した」