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F1 ニュース

投稿日: 2018.07.31 12:50

雨の予選で勝利パターンを自ら引き寄せたハミルトン【今宮純のF1ハンガリーGP決勝分析】

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F1 | 雨の予選で勝利パターンを自ら引き寄せたハミルトン【今宮純のF1ハンガリーGP決勝分析】

 2018年F1第12戦ハンガリーGP決勝は、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションから見事優勝を飾った。選手権を争うフェラーリのセバスチャン・ベッテルは2位となり再びポイント差が広がることに。F1ジャーナリストの今宮純氏がハンガリーGPを振り返り、その深層に迫る──。 

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 史上初めての過密な“3+2連戦”に3勝ハミルトン。2位ベッテルに24点差、今季最も大きなリードを獲得しサマーブレイク前の『中締め』となった。雨がらみ予選でポールポジションを決め、翌日決勝のスタートも決め、ハンガリーGP最多6勝を決めた。この7月に武運を引き寄せたハミルトンである。

2018年F1第12戦ハンガリーGP ルイス・ハミルトン
2018年F1第12戦ハンガリーGP ルイス・ハミルトン

 終わりよければすべてよし、なのだが初日時点でこの勝ちパターンを本人も予想していなかった。

「予選はなんとか2列目、ひょっとすると3列目かも……」と弱気に。

 初日のフリー走行1回目、2回目とも5番手、得意なハンガロリンクできりきり舞い、シケインでスピン、あちこちでオーバーラン。それはバルテリ・ボッタスも同じで今年最悪の不安定挙動におちいったメルセデス。

 強いオーバーステアがコーナー入口で露わとなり、出口で加速するとアンダーステアに変わりコースを外れた。リヤタイヤがオーバーヒート傾向で(10度以上)、フロントタイヤとの“温度アンバランス”がそうさせた。

 FP1はレッドブルのダニエル・リカルド、FP2とFP3はベッテルがトップ、どのセクターでも彼らから0.2~0.4秒の遅れを喫していた。この状況は最悪だ……。

 ブダペスト郊外に広がる大草原地帯にこのサーキットは位置している。スパ・フランコルシャンの山岳気候と違うが晴天で高温が続くと、午後から雷雨(シャワー)になることが多い。ハンガリーGPの土曜は週末三日間でその予報確率が最も高かった。

 今年からヨーロッパ戦タイムスケジュールは従来よりも1時間後ろ倒しされ、午後3時からQ1開始だ。その前に一雨きてコースを濡らした。さらにこの後も断続的に雨雲が流れ込むと、レイン・リスクは80%まで上昇。つまりほぼ確実にウエットになる。

 前戦ドイツGP決勝のことを個人的に思い出した。ウエットないしハーフウエットで、メルセデス勢のパフォーマンスはライバルより相対的に上がって見えた(2018年5月末に彼らだけはポール・リカールで人工降雨下のピレリ・ウエットタイヤ・テストを実施)。

■フェラーリ、レッドブルが雨の予選で失速した原因を考察


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