そもそも、なぜハートレーはパワーユニットを交換したのか。というのも、「鈴鹿での深刻なダメージはガスリーだけ」と田辺TDは金曜日に語っていたからだ。
「ロシアGPでスペック3を入れた当初は、ロシアGPを含めて、残り6戦をスペック3とスペック2の2つのエンジンをうまく使い分けながら、乗り切るつもりでした。しかし、鈴鹿で出たオシレーション(共振)によって、エンジンに想定外のダメージが出ていたため、チームと協議したうえで、グリッドペナルティを受けても交換したほうがいいという結論に達しました」
現在のF1はパワーユニットの交換も戦略の一つ。田辺TDの説明が歯切れが悪かったのも、それが関係していたのだろう。いずれにしても、2台そろってパワーユニットの交換を済ませたトロロッソ・ホンダは、予選を終えた段階での暫定グリッドは2台とも最後列となっている。あとはレースを戦うだけ。
「新しいスペックを投入したわけだから、ドライバーには思う存分、戦ってもらいたい」と語った田辺TD。そこには、母国グランプリだった前戦日本GPでできなかった思いが込められていたように感じた。
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