F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回は2019年F1開幕戦オーストラリアGPだ。
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☆ ランド・ノリス/マクラーレン(予選8番手/決勝12位)
ルーキー・トリオで誰が予選トップにくるか。最年少19歳ノリスが最年長39歳のキミ・ライコネンを抑え予選8番手に入ったのは驚かされた。フリー走行まですべて18番手(ウイリアムズのちょっと前)、難度の高いコースに翻弄された。
予選になるやQ1:8番手→Q2:9番手、Q3:8番手、とくにセクター2のリズムが高まった。決勝スタートではベテラン勢に攻略され12位、“実戦レッスン1”で終わったがルーキー賞☆を。
☆☆ ランス・ストロール/レーシングポイント(予選16番手/決勝9位)
レーシングポイントでの初戦にしっかりタイヤ戦術を遂行。スタートでミディアムタイヤを選択した役割を理解し27周スティントをカバー、“お坊ちゃまイメージ”を払拭する手堅い展開。これにはセルジオ・ペレスも驚いたことだろう(1周目の順位アップ力も)。
☆☆ キミ・ライコネン/アルファロメオ(予選9番手/決勝8位)
アルファロメオのキミが地味だった旧ザウバーのイメージを変えた。スターが居ると違うものだ。
序盤12周目、まっさきにピットイン、これを見て上位チームが動く。ただこれは、戦略ではなくブレーキダクトに自分の“捨てバイザー”が絡まったからだ。ある意味これがレースの流れを変え、続々と早めのタイヤ交換に。ライコネンが筋目を“演出”したとも言えよう。
☆☆ セバスチャン・ベッテル/フェラーリ(予選3番手/決勝4位)
テストから開幕戦でフェラーリが謎のステップ・バック。金曜から日増しに戦力に問題を抱えこむ不振に表情も曇るベッテル。
フカヨミかもしれないが、今年からシミュレーター担当ドライバーが一新された。クビアトは去り、パスカル・ウェーレイン、ブレンドン・ハートレーの新人たちに。
現場とファクトリー間でさまざまな対策・対応策がとられただろうが、そのフィードバックなど新メンバーを含め円滑に機能したのかどうか。開幕戦の敗因は一つではなさそうだ。気持ちをあらたにベッテルの開幕は2週間後――。