F1ブログ「Shots!」を連載している熱田護カメラマンが、ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターに読者からの質問を届ける特別企画。素朴な疑問から人生相談までなんでもござれ(たぶん!)。さて、今回はどんな質問に応えてくれるのでしょうか。
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熱田カメラマン:まず、今の山本雅史さんは、ホンダの中でどういうことをやっているのでしょうか?
山本雅史(以下、山本MD):ホンダF1のマネージングディレクターをやっています。僕はもともとマネージメント領域を長くやってきているので、ホンダでよく言う『ヒト・モノ・カネ』を動かす役割に携わっています。
ヒトはやっぱり、ホンダF1で働いてくれる全員、トップは田辺さん(田辺豊治/ホンダF1テクニカルディレクター)とみんなが前に向かってポジティブに仕事ができる環境を整えることです。
モノでいうと、、テクニカルな部分、トップの浅木さん(浅木泰昭/パワーユニット開発責任者)が主導しているサクラ(栃木県さくら市にあるホンダの技術開発研究所 HRD Sakura)だったり、外部のサプライヤーさんとの環境を情報を含めてアシストしていきます。
カネは、僕にとって一番のタスクかもしれませんが、企業なのでバジェット(予算)の配分を適正な方向に持っていくということをマネージメントするというのが僕の役割だと思っています。
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続けてファンからの質問を順番にご紹介していきます。
◇じまさんからの質問
――昨年11月にIHIとの技術提携(ターボチャージャー開発、製造による技術協力を強化/関連記事)が発表されましたが、具体的にはIHIのどのような技術が現在のパワーユニットに貢献しているのでしょうか。
山本MD:IHIはご存知のようにターボチャージャーの会社です。今のパワーユニットに付いている、ターボのフィンやハウジングも含めた上でサクラとIHIの技術者が緻密なディスカッションした上で、IHIがより良いものを提供してくれています。
ホンダの一般量産車にも使っていますし、今まではサプライヤーという形でF1に参加して頂いていましたが、IHIの社員の人たちもモチベーションを上げるためにスポンサーシップやコストなどを協力いただいて、共同プロジェクトという形で提携させていただいたということです。
――ヘルムート・マルコさん(レッドブルのモータースポーツアドバイザー)の発言でF1コミュニティが日々盛り上がっています。マルコのメルセデスPUはホンダと10馬力差といった発言はどの程度信じてよいのでしょう? 可能な範囲で教えてください(笑)
山本MD:僕も細かくはわかりませんが、各チームはグランプリでデータを拾っています。それを元に話しているということは、根拠のある数字だと思います。ホンダにとってはポジティブな情報なので有難いです。
ただ、フリープラクティスなのか予選なのか、またタイヤ選択などいろいろなシーンがありますので、どこの部分を比較したのかはわからないですし、その数字も正確かどうかはわかりません。しかし、ファンの皆さんに言えることは、昨年のホンダPUよりも今年の方が馬力はアップしていて、信頼性も高くなっているということです!