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F1 ニュース

投稿日: 2019.05.14 11:26

オープニングラップの3者並走の名勝負、バルセロナテスト時の勢いを失ったフェラーリ【今宮純のF1スペインGP分析】

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F1 | オープニングラップの3者並走の名勝負、バルセロナテスト時の勢いを失ったフェラーリ【今宮純のF1スペインGP分析】

 2019年F1第5戦スペインGPは、メルセデスのルイス・ハミルトンが逆転優勝しチームの1-2記録をさらに更新した。F1ジャーナリストの今宮純氏が振り返る。

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 記録がいまつくられている。誰も見たことがなかった開幕からの5戦連続“チーム1-2”、メルセデスは217ポイントを獲得。昨シーズンは全21戦で655点、その3分の一を早くも序盤に得たのだ。チャンピオンシップ戦線のはるか彼方を矢のように飛ぶシルバーアロー——。

 土曜はバルテリ・ボッタスが3戦連続PPを0.634秒の大差で決めた。自身9回目だがいままでは2位ハミルトンに0.059秒差(8回目)、0.023秒差(7回目)という微差だった。この完璧なアタックラップでは1コーナーに深く飛び込み、2~4コーナーまで“修正ステア”はほとんど無かった。セクター2の難所、高速9コーナーは全開で通過、ヘアピン10コーナーもスムーズ。セクター3の中速エリアもシケインもまったくレールの上を行くようだ。

 Q1からQ3で1.513秒アップしたボッタスに対し、ハミルトンは1.252秒アップにとどまった。Q2よりQ3は0.002秒ダウン、「トラフィックの影響などがあったから」と言う。それをそのまま受けとめれば、この2番手は“大差”ではなく“小差”だったことになる。

 ここでもフロントロウふたりによる1コーナーまでのドラッグレースになるのは必至。フォーメーションラップの蹴りだしはぴったりに見えたボッタスだったが……。

 スタートで勝負にいくしかないと3番手セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は賭けていた。PPグリッドからボッタスの蹴りだしは伸びず、加速力も鋭くなく左にベッテル、右にハミルトンに並ばれた。このストレートでは左側がレコードライン、右側はオフラインだがピットアウト時のラインであり、路面グリップはそれなりにある。2012年、当時フェラーリに所属していたフェルナンド・アロンソは2番グリッドからこのラインを加速、見事に1コーナーを奪っている。

■ノータッチで駆け抜けた三者三様の共演


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