☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
予選=4番手/決勝=2位
何度も壁やガードレールにタッチ、それを一概に「ドライビング・ミスばっかり」とは言いきれない。リバースステア特性(急激な挙動変化)のフェラーリSF90では、攻めれば攻めるほどああなってしまう。
中低速コーナーでエアログリップが劣り、アンダーステア(前輪タイヤ温度影響)にもがく走りは見るからに苦しい。母国メディアから揶揄、批判されるフェラーリのエースはつらい。ドタバタの週末をしのいだ2位だ。
☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
予選=3番手/決勝=4位
明らかにハミルトンより速いのに抜けない。デビューしたころの彼なら遮二無二に突っかかって行っただろう。76周目に遂にシケインでインへ、ハミルトンはここでくると予測していたかのように見えた。クロスプレーだがふたりともダメージはなし、ペナルティもなし。今年のモナコはオープニングとエンディングが見せ場、演出したのはフェルスタッペンだ。
☆☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(メルセデス)
予選=PP/決勝=1位
伝説の1992年「セナ対マンセル」のころはマシン全幅がワイドな215cmだった。それが1993年から200cm、1998年から180cmに“35センチ”も小さくされた。再び2017年から200cmに戻されたいま、モナコではワイドに見えるが昔はもっと幅広なまさに「モンスター」だったのだ。
平均150KMH以上で1時間43分以上をミスひとつなく走破、そのエネルギー持続力とメンタル集中力は想像を絶する。ハミルトンはふだんの2レース分くらいの力を使い切ったことだろう。