日曜のオースティンは前日までとは打って変わって雲に覆われていたが、午後になって肌を焼くような強い陽射しが戻ってきた。それでも路面温度は35度とそれほど上昇はせずタイヤには優しコンディションとなった。
予選後のパルクフェルメでのパワーユニットやギヤボックス交換などはなく、スターティンググリッドは予選順位のまま午後2時の決勝を迎えた。
スタートタイヤ選択は大きく分かれ、Q3進出組みの中ではQ2をソフトで通過したメルセデスの2台とマックス・フェルスタッペンがソフト。そしてトップ10以下ではソフトが中心となるが11位 セルジオ・ペレス、17位 ロマン・グロージャン、19位 ジェンソン・バトンがスーパーソフト、最後列のフェリペ・ナッセとエステバン・オコンがミディアムと、戦略が複雑に分かれる決勝のスタートとなった。
メルセデスAMG勢は2台揃って無難なスタートを決めたが、ルイス・ハミルトンがターン1へイン寄りのラインを取ったのに対してニコ・ロズベルグはアウト側へ。その隙を突いてダニエル・リカルドがインに飛び込み、ターン1の立ち上がりでハミルトンに抑えられるかたちで加速が鈍ったロズベルグから2番手を奪い取った。
後方ではキミ・ライコネンがフェルスタッペンの前に出て4位へ浮上。6位セバスチャン・ベッテルもフェルスタッペンに仕掛けて行くがオーバーテイクまでは至らない。
ターン1で行き場をなくしたニコ・ヒュルケンベルグはイン側にいたバルテリ・ボッタスに追突するかたちになり、ヒュルケンベルグはピットまで戻ったがリタイア。ボッタスは右リヤタイヤをパンクさせてタイヤ交換を余儀なくされた。
さらにターン11ではペレスがダニール・クビアトに追突されてスピン。「ひどく追突された! なんてバカなことするんだ!」と激怒する。クビアトは「追い風で全然ブレーキが効かなかったんだ!」と釈明したが10秒加算ペナルティを科されてしまった。