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投稿日: 2021.07.23 17:00
更新日: 2021.07.23 16:08

【ブログ】生の現場で見るF1マシンのスピードに鳥肌。最終日には送別会も/木村のF1英国留学日記

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Blog | 【ブログ】生の現場で見るF1マシンのスピードに鳥肌。最終日には送別会も/木村のF1英国留学日記

 将来F1のエンジニアとして働くことを目標にイギリス・ラフバラ大学に留学している現役大学生の木村さん。ブログの第5回目では、木村さんが2018~2019年にハースF1初のインターン生としてチームをサポートしたときの経験談をお届けいたしました。今回はその後編となり、2019年イギリスGPでの経験やF1チームの送別会の様子をお届けいたします。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 今回のブログは前回の後編となっています。前編で少しセットアップの決定作業について読者のみなさまに誤解を生んでしまったかもしれませんが、セットアップの決定は多くのプロセスを経て行われ、様々な部門のエンジニアが関わります。そして、そのなかのひとつの行程としてシミュレーションを通じた解析業務があり、僕の所属していたビークルパフォーマンスグループ(VPG)という部署が担当しています。

 そういった様々な情報を基に最終的な判断はレースエンジニアとパフォーマンスエンジニアによって下されるので、例えば僕が当時担当していたシミュレーション業務だけを基にして決定することはありません。ただ、様々な要素のうちのひとつであったとしても、自分が関わった仕事だったのでやはり責任を感じたということで紹介させていただきました。

 自分の説明不足で誤解を生んでしまったかなと反省しています。より詳細なVPGの役割やセットアップの決定方法などは小松礼雄エンジニアリングディレクター著の『エンジニアが明かすF1の世界』でよりわかりやすく記されているので、是非そちらもご拝読ください!

■2019年イギリスGP

 2019年のイギリスGPは僕のインターンの期間が終盤に差し掛かっていたこともあり、チームの厚意で初めてサーキットに『ゲスト』として帯同させてもらったレースでした。土曜日と日曜日の両日、ガレージやモーターホームを訪れて、ファクトリーからのサポート業務とはまた違った緊張感がある現場の雰囲気や仕事行程を体感させて頂きとても勉強になりました。

 そして「せっかくなら、いろいろな場所から走っているところを見てきなよ」とチームのエンジニアに言われたので、シルバーストンサーキットの2コーナーの近くから練習走行を見ていたのですが、改めて生で見るF1マシンのコーナリングスピードがとてつもなく、鳥肌が立ったことを覚えています。

 普段の業務をしているなかで、特にデータを扱うことが多くなると、例えば『このコーナーは時速200キロで走っているんだなぁ』と思ってもあまりイメージが湧かなかったのですが、生でF1を見て体感すると、やっぱりこれは凄い機械だなと改めて感じさせられました。

2019年F1第10戦イギリスGP ケビン・マグヌッセン(ハース)
2019年F1第10戦イギリスGP ケビン・マグヌッセン(ハース)

 そんな非常に充実した経験だったのですが、唯一悔いが残ることとすればチームのレースでの結果です。チームメイト同士の接触により、両車早々にリタイアをしてしまい、丁度この時期にチームが苦しんでいたことも相まり、レース後の雰囲気はよくありませんでした。

 やはりF1の国際放送などでスポットの当たるレース後に、メカニック、エンジニアを含めて喜びを分かち合うシーンに憧れがあるので、いつかそういった景色も見られるよう、これからも頑張ろうと思えたレースなので思い出に強く残っています。

2019年イギリスGPでのハースF1のモーターホーム
2019年イギリスGPでのハースF1のモーターホーム

■インターン最終日

 約1年以上にわたって色々な経験や勉強をさせて頂いたインターンの最終日に、チームでは珍しく年齢が近くて仲がよかったエンジニアのひとりが送別会を兼ねた食事会を企画してくれました。

 彼は僕が所属していた部署以外にも、実際にサーキットに行ってレースのオペレーションをする部署(レースエンジニアやパフォーマンスエンジニア等が所属するチーム)にも招待をかけてくれていたようなのですが、シーズン中で、尚且つ毎週世界中を飛び回って多忙を極めているので、正直僕が所属している部署の方々しか来ないだろうと思っていました。

 しかし、当日になるとその部署の方々を含めて、大勢の人達がわざわざ食事会に参加してくださり本当に感動しました。やはり、学生という立場でインターン生として働くなかで、多くのことを吸収して良い仕事ができたなと思える場面もあれば、勉強不足で周りのエンジニアの足を引っ張ってしまった部分もあったのではないかと不安に思うことも多々ありました。

 それでも、沢山のエンジニアから最後に労いの言葉を頂き、本当に嬉しいのと同時に、少しでもチームの力になれていたかなと思いホッとしました。もちろん、勉強不足な部分は自分の中で課題として多く残っているので、インターン後の大学生活で取り組み続けています。

2019年F1第10戦イギリスGP ケビン・マグヌッセン(ハース)
2019年F1第10戦イギリスGP ケビン・マグヌッセン(ハース)

■おわりに

 これまで6回に渡ってイギリスでの大学生活の様子やシステム、そしてインターンの経験を紹介させて頂きましたが、次回で最後のブログとなります。

 毎回、読者のみなさまから温かいコメントを頂き、僕だけではなく、同じ大学で勉強している日本人学生もとても励まされております。本当にありがとうございます。

 次回は最後になりますが、楽しみにして頂けると幸いです! 最後までお読みいただきありがとうございました。

2019年F1第10戦イギリスGP ロマン・グロージャン(ハース)
2019年F1第10戦イギリスGP ロマン・グロージャン(ハース)


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