すでにどのチームも基本設計は昨年のうちに終えており、おおよその性能は把握している。そのデータをもとに、ドライバーたちは着々とシミュレーター作業で“新世代”のフィーリングに慣れていっているところだ。
昨年の早い段階で2017年型マシンをシミュレーター上で試していたバルテリ・ボッタスは「シミュレーターで2017年型のマシンをドライブしたけど、すごく速かった。特にコーナリングスピードが上昇している」と語る。
「具体的には、ダウンフォースとグリップ感、そしてトラクションがかなり高くなっている。もちろん、ダウンフォースが増えた分、ドラッグの影響でストレートは若干遅くなるけど、コーナーが速くなるのはドライバーとしては歓迎だ」
速さは大幅にアップしているものの、マシンの根本的な特性はそれほど変わっておらず、ドライビングスタイルも大きくは変わらないだろうとボッタスは予想している。
「ドライビングスタイルはそれほど大きく変わりはしないだろう。もちろん、グリップが高くなったことでコーナーによってはライン取りが変わったり、これまで少しアクセルを戻していたところが全開でいけるようになったりという違いは出てくるだろうし、なかにはアプローチの仕方を変えなければならないコーナーもあるだろう。だけど、基本的なマシン特性やドライビングスタイル自体はそんなに変わらないはずだよ」と述べた。
では、フィジカル面での変化はどうだろうか。コーナーが速くなることで、当然ドライバーにかかるGフォースも大きくなり、身体的な負荷も増すことになる。それでも、もともと極限まで鍛えているF1ドライバーたちのトレーニングはそれほど変わらないという。
フェルナンド・アロンソは「クルマは大きく変わるけど、身体に必要とされることは基本的に大きく変わらないから、トレーニングを新レギュレーションに合わせて変える必要はないと思う。プログラムを変えたり、フィロソフィを変えたりといった必要はない」
「10代で初めてF1に挑むのなら、追加のトレーニングは必要かもしれないけど、僕らはもう何年もF1で戦ってきているから身体にはF1をドライブするベースができているんだ。今よりも少し多めにトレーニングする必要はあるかもしれないけど、問題ないよ」とコメント。