2014年に敢行された大幅なレギュレーション変更により、エンジンはパワーユニットと呼び名を変え、メルセデスが3年連続でタイトルを獲得し、F1を支配した。
メルセデス以外が勝つチャンスは年にわずか1〜2度という、勝者の独占状態に危機感を覚えたことに加え、2016年までのF1が見た目にも不評だったこと、さらにはラップタイムを現在よりも速くしたいことなどの理由から、FIAは2017年に再びレギュレーションの変更を決断することになった。
まずは車体面だが、シャシーでは主に空力に関する規定を改定することになった。
2017年のレギュレーション変更により、今季のF1は1周あたりのラップタイムは4秒〜5秒短縮されると予想されているが、その大半はダウンフォース量の増加によって削られるタイムだ。
具体的にはフロントウイング幅が1650mmから1800mmへ広がり、リヤのトップウイング幅も750mmから950mmへと拡大、ディフューザーは高さが125mmから175mm、幅は50mm大きくなる。
この空力規定の大幅な改定によってダウンフォースは増加し、ドラッグも増すことによって直線スピードは厳しくなるかもしれないが、タイヤもフロントが60mm、リヤが80mm幅広となることでコーナリングスピードは大きく向上し、ラップタイムが速くなることは間違いない。
また、この変更によってDRSの効果はさらに大きくなることが予想され、レース中のオーバーテイクはこれまで以上に多くなりそうな気配だ。
ルックス的にも、2017年のF1マシンは車体幅が1400mmから1600mmと最大幅が広がり、高さは150mm低くなることによって、ワイド&ローなスタイルになる。さらにはリヤタイヤ幅が広がることにより、2017年のF1はかつてのF1マシンを彷彿とさせる、これぞF1、という見た目に戻ることになる。