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F1 ニュース [PR]

投稿日: 2023.03.03 19:25
更新日: 2023.03.03 19:26

サッシャと中野信治が語る2023年F1開幕戦のダークホースとDAZN中継。8シーズン目の名コンビによる“ユーザーファースト”の目線

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F1 | サッシャと中野信治が語る2023年F1開幕戦のダークホースとDAZN中継。8シーズン目の名コンビによる“ユーザーファースト”の目線

──2023年シーズンはおふたりがDAZNでF1決勝中継を始めてから8シーズン目(2016年のシンガポールGPから)を迎えるということで、改めて中継の際に心がけていることを教えて下さい。

サッシャ:そんなになるんですか!?

中野:すごい(笑)!

サッシャ:やはり新しくF1を見てくれる人が増えないと中継している意味がないと思います。僕はこのスポーツが大好きですし、老若男女関係なくF1を好きになってくれる仲間が増えることが何よりもうれしいです。僕自身が長くF1を見てきたファンとして、どんな人が初めてF1を見ても、なるべく面白く感じてくれたらいいなと思っています。実際、レースをいきなり見たら何を見ていいかわからない。でも、たとえばドライバーを中心にレースを見たり、レース中はこの部分が重要だからそこを見るなど、その部分を見ることでレースの軸ができるということをなるべく伝えていきたいです。

 僕が家でF1を見ていたときは、タイミングモニターを見ながら、画面に映らないことや実況解説が触れていないことを探しながら見るのが好きでした。僕はF1が好きだからそのように見ていますが、ファンではない人がいきなりタイミングモニターの数字を見ても何もわからないと思います。DAZNはインターネット配信プラットフォームという特徴があるので、テレビやパソコン以外でもタブレットやスマートフォンで中継を見ることができます。たとえば通勤中や移動中、さらには家事をしながら中継を見ている人もいるかもしれませんし、見逃し配信の方や子育て中、途中でトイレに行くなど、そう考えると人生はいろいろと忙しい。

 ですので、もちろんレースを2時間ばっちり画面に集中して見ているファンの方も多いと思いますが、それ以外の観戦スタイルの方もいるかと思います。そういった人たちがラクをしても楽しめるように僕が汗をかきたいですね。タイミングモニターを見て、画面に映ってない重要な情報をなるべくフォローしたり、『クラッシュが発生したから今は手を止めて画面を見て!』という感じで注意なども与えたりしたいです。僕がみなさんの手、足、耳となって情報を補完し、最終的にはあぐらを組んでラクにレースを見てもらえればいいなと思っています。

──一方で中野さんは解説を担当されていますが、解説という立場で心がけていることはどのような部分になりますでしょうか。

中野:基本はサッシャさんと同じです。小難しいことを言ったところで……ということはやはり思いますし、それを言い始めたら本当にキリがないです。メカニカルな部分も含め『その情報をどれだけの人が知りたいか?』という思いは解説中にもあり、やはりF1というのは何が起こっているかがわかりづらい競技でもあります。レースを見ていて『こんな失敗する?』『これは下手だな』と思う人もいるはずです。ですが、その裏側にはドライバーやメカニック、戦略を考えているチームクルーがなぜ失敗したのか、当人たちの思いなどは、僕自身がレーシングドライバーだったのですべてわかっているつもりです。そういった意味では、ミスを犯してしまった人をフォローするではないですが『そこまでF1は簡単なことではない』というような、実はこういった理由があったからミスを犯してしまった可能性がある、ということをわかりやすく伝えていきたいです。

 僕は自分の専門分野ではないことをあまり話さない主義です。一方でドライバーの気持ちや走らせ方などに関しては、レーシングドライバーの専門分野なので理解することができますし、メカニカルな部分についてもクルマをセットアップしてきたので理解しているつもりですが、中途半端な知識で『このクルマのキャスター角はこう』などと言ってしまうと、本職のエンジニアの人間が聞いたら浅いと感じる話になってしまいます。そのことを理解しているので、僕は中継ではあえてメカニカルなことは言いません。

 僕のなかでは先ほどサッシャさんも言っていたように『わかりやすく』という部分を心がけて、ドライバーと監督業をしてきた両方の立場から『モータースポーツはこのような感じで行われている』ということをうまく伝えていきたいです。どちらかというと『ドライバーやチームを嫌わないで』と思ってしまいますし、言えないことも多くあるので葛藤もあります。解説という立場なので言うことは簡単ですが、正直半分も思ったことを言っていませんね。

 やはり僕にはポリシーがあり、ドライバーと監督を努めてきてチーム側のいろいろな感情を知っているので、なかなか言い切れないといいますか、当人たちの気持ちを思うと言えないこともあるので発言を止めてしまいます。それが僕のスタイルですし、そのことを物足りないと取られてしまう場合もありますが、レースを知っている人は僕らよりもずっと詳しいので、中継を見る立場の人が選択を行い、僕は自分のポリシーを持って解説できればいいなと思っています。

──中継コンビ8シーズン目突入ということで、改めまして、お互いの良い部分などを教えていただけますか?

サッシャ:中野さんは、僕ら素人では到底気がつかない部分でも気がついてくれます。僕もF1が好きで何十年と見ていますが、実際のレーシングカーにトップスピードで乗ったことはありません。ですので、やはり中野さんは気づく部分がすごいです。ステアリングの舵角や、何気なくコーナーを曲がったマシンを見ただけで『結構アンダーが出ている』といったような感じで、すぐに感じ取ります。それは普通の人では気づくことができないと思います。

 また、ドライバー心理の話もかなり面白いですよね。抜きつ抜かれつのバトル時の気持ちは実際にレースをしないと絶対にわからないと思うので、その部分が語れることは本当にすごいです。レースを見ている人もまるでドライバーになったかのような気持ちで中継を見ることができると思うので、この“ドライバー心理”という部分はレーシングドライバーにならない限り、どんなにレースが詳しくても学ぶことはできません。やはりレーシングドライバーの中野さんが解説にいてくれないと僕らは得られない情報ですし、本当にF1に乗ったことのある人以外は、全員にとって価値のある情報だと思います。中野さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、僕からすれば本当に『何でそんなことがわかるんですか!?』といった感じです。頼りにできますし、本当に心強い存在です。

コンビ8シーズン目を迎えるサッシャ氏と中野信治氏。インタビュー中でも仲の良さは健在だ
コンビ8シーズン目を迎えるサッシャ氏と中野信治氏。インタビュー中でも仲の良さは健在だ

──中野さんから見たサッシャさんはいかがでしょう?

中野:いろいろなことを言わせてしまい恐縮です(笑)。サッシャさんは……本当に非の打ち所がないですよね。DAZNで7年F1の実況をしてきましたけど、実況を担当された当時の知識量と比べると、今のサッシャさんの知識量は格段に違います。解説者レベルの知識もあるので、もう凄すぎます。レギュレーションの部分など、あまりにも知りすぎているので逆に僕が勉強させてもらっている感じですよ。

サッシャ:そんなことないですよ!

中野さん:新情報もサッシャさんに聞くとすべて知っていて、たとえば『今年のタイヤ規則はこうですよね?』と聞くと全部答えてくれます。本当に知識や情報量、機転が利くこともすごいですし、あとはやはり語学力ですよね。これだけ本当にネイティブの英語、ドイツ語を話せて訳すこともできて、イタリア語もできて、実況と解説をしながら翻訳もするという人はまずいません。とにかくその部分に関しては絶大なる信頼を僕は置いています。もう僕的には、これほど安心感があって頼りがいのあるパートナーはいません。

 それに最近は気象予報士の勉強もしているということで、今後、レース中に雨雲レーダーを見て『これは何分後に雨が降るかもしれませんよ!』とサッシャさんが言っているときがくるかもしれません。サッシャさんは本当に勉強熱心で、何よりもモータースポーツ、F1が大好きという気持ちがすごく伝わってくるので、サッシャさんが話しているのを聞くのは気持ちいいですし、聞いている人たちも引き込まれると思います。

サッシャさん:そこまで言ってもらい恐縮です……。

中野さん:いやいや、本当にすごいですよ。でも、まだご飯には行けていないんですけどね(笑)。

──最後の質問になりますが、開幕戦のダークホースや注目ドライバー、チームを挙げていただけますでしょうか。

中野:テストでは爪を隠してくれていたらいいなという希望も込めてメルセデスですね。フェラーリも速いと思いますが、メルセデスが速いと戦略やチームの強さも含めてレースでもレッドブルと勝負ができると思います。メルセデスが予選でトップから0.5秒以内に入ってくればレースがすごく面白くなるので、サプライズと期待を込めてメルセデスを挙げます。

サッシャ:僕はフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と角田裕毅(アルファタウリ)というふたりのドライバーを挙げたいです。アロンソは昨年もスタートで大きくポジションを上げていて、今年のアストンマーティンのマシンも調子が良さそうなので、予選3番手くらいに入れればオープニングラップでトップに浮上してくるかもしれません。あとは中野さんも言っていたのですが、今年のアロンソは『シュッとしている』といいますか、体が仕上がっていることが印象的です。アストンマーティンへの移籍初年度でかなりのやる気が出ているのではないでしょうか。

 角田に関しては、まだプレシーズンテストが終了しただけなので勢力図はわかりませんが、海外のF1サイトを見ていると、現時点でのアルファタウリのポジションを8〜9番目にしているサイトが多く『ちょっと待て!』と言いたい気持ちと、角田はF1デビュー初年度の2021年バーレーンGPでも調子が良かった(予選Q1で2番手、決勝9位入賞)です。レースはサプライズがあったほうが楽しいので、アロンソと角田に期待したいです。開幕戦は現地に行きますので、この目でアロンソと角田のスタートダッシュを目にしたいと思いますし、開幕戦後の『WEDNESDAY F1 TIME』でその現地の様子をお伝えできればと思います。

DAZNのF1中継では実況・解説を努め、『WEDNESDAY F1 TIME』の番組MCも担当するサッシャ氏(左)と中野信治氏(右)
DAZNのF1中継では実況・解説を努め、『WEDNESDAY F1 TIME』の番組MCも担当するサッシャ氏(左)と中野信治氏(右)

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 スポーツチャンネル『DAZN(ダゾーン)』ではF1全23戦のライブ中継のほか、レース前の水曜日は次戦のコース紹介やレースプレビュー、レース後の水曜日には注目バトルや戦略を振り返るレースプレイバックを実施する『WEDNESDAY F1 TIME』などで2023年シーズンもF1を盛り上げる。見逃し配信も充実しているので、自分の都合のよいタイミングで視聴できるのが強みだ。

F1全23戦のライブ中継と『WEDNESDAY F1 TIME』を配信する動画配信サービス『DAZN(ダゾーン)』の詳細はこちらへ
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DAZN:https://www.dazn.com/ja-JP/welcome


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