2017年の空力パッケージによって、オーバーテイクは一段と難しくなるとの危惧が裏付けられた。ウインターテストの初日にして、複数のドライバーが、先行するクルマの背後につけるのが昨年より難しいことに気付いたのだ。
全体としてクルマのダウンフォースレベルが上がると、高速コーナーで後続のクルマがそれに付いていくのは困難になる。ダウンフォースが大きいほど後方乱流も大きく、後続車のフロントエンドのグリップが失われやすいからだ。
この新ルールが策定されたとき、オーバーテイクの促進はFIAからの指示には含まれていなかった。主な狙いは、クルマの速度を上げ、ドライビングを難しくすることに置かれていた。
初日の最速タイムをマークしたルイス・ハミルトンとベテランのフェリペ・マッサは、いずれも今季の空力パッケージによって、オーバーテイクに関する問題は悪化したと感じている。
「何度か別のクルマの後ろを走ったけど、付いていくのは思ったよりも難しかった」とハミルトンは言う。
「しかも、今日使ったタイヤはものすごく固くて、ドロップオフしない。どこまでもどこまでも、同じペースで走れてしまう。デグラデーションが起きないとすると、1ストップレースが増える可能性が高いね。そして、ドライバーのミスは減り、オーバーテイクも減る」
「これは僕の予想であって、間違っているかもしれない。本当の答えはまもなくわかるだろう」
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