技術ウォッチャーの世良耕太氏が、2017年のF1新車、ウイリアムズFW40の気になるポイントを解説。基本的に昨年の進化系となったFW40。大きな見どころはTウイングか。
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2017年シーズンに臨むウイリアムズFW40は、16年型FW38の純粋進化形に見える。突起を残したノーズまわりの構成はそのままだし(1)、フロントウイングの構成もバルセロナテストまでのところ、FW38と大きく変わらない(2)。
ステアリングタイロッドをアッパーアームまたはロワーアームと前後平行に配置していないのもFW38と同じだ(3)。フォース・インディアと同様で平行に配置しないのは少数派だが、サスペンションアームと平行にせず独立して配置することで、タイロッドにも空力的な役割を担わせているのだろうか。
昨年型とあんまりそっくりなので間違い探しのような状況になるが、バージボード~ポッドウイングの作り込みもFW38と変わっていない(4)。このエリアは17年のレギュレーション変更で開発自由度が大幅に高まっているのだが、高い自由度を生かしているようには見えない。16年までの延長線上で十分に性能が出せるということなのだろうか。それとも、まだ、そこまで手が回っていないのだろうか。
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