中盤の15周目には最前列発進だったカゼッラのFL5シビックRがバリアに衝突し、セーフティカー(SC)が導入されると、コース補修が長引き残り1分を切った20周目にようやくグリーンとなる。
リスタート後も首位3台は全員がポジションを守り切って鈴木が勝利を奪い、オスマン、ラヴァーのポディウムが確定。一方のモンテネグロはファイナルラップの奮闘で7位まで挽回してチェッカーを受け、ここでチームタイトルを確定させる働きで、週末のハードルをひとつクリアしてみせた。
「こうして素晴らしいチャンスを活用して勝てたのは最高だ」と喜びを語った鈴木。
「このチャンピオンシップは非常に競争が激しく、浮き沈みの多いシーズンだったから、このレース結果にはとても満足している」
続いて現地時間12時40分に迎えた2023年最終ヒートのレース2は、序盤のダメージから回復し切れなかったカゼッラがフォーメーションラップの終わりにピットへ向かう幕開けに。
その僚友カサグランデのFK8シビックも、リバースポールからの蹴り出しで遅れペドロ・カルドゥソ(ヒョンデN・チーム・スクーデリア・キアレッリ/ヒョンデ・エラントラN TCR)やファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)、そしてヌネスのカローラに先行を許してしまう。
オープニングラップを経てカルドゥソのヒョンデもピットでリタイアを選択したことから、早くも2周目にはヌネスがリードを引き継ぎ、タイトル候補のラヴァーが4番手、モンテネグロは6番手のオーダーとなる。
前方オスマンのクプラを追うティーンエイジャーだったが、背後には午前のウイナーである鈴木とラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が迫り、20周目には接触バトルの余波で2台立て続けのオーバーテイクを許し、ここでFK8シビックは8番手へと後退してしまう。
そのまま28周のチェッカーフラッグでヌネスが勝利を挙げ、ロッソとファビアン・シャナントゥオーニ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)が続いてTGRAが表彰台を占拠する結果に。そして4位のラヴァーに対し、終盤は油圧の問題にも苦しんだモンテネグロはなんとか8位を死守してゴール。ドライバーズタイトルを確定させるのに充分なポジションで走り切って、自身の肩書きに“南米チャンピオン”の称号を書き加えた。
「最終ラップは本当に難しくて、クルマをドライブするのはほぼ不可能な状況だった」と、フィニッシュ後には困難な状況にあったことを明かした18歳の新チャンピオン。
「でも今季は、一緒にチャンピオンシップを勝ち獲ってくれたチームに心から感謝したい。誰にとっても非常に良いシーズンになったね!」