伝統のサマーブレイクを終え、7月29~30日のスネッタートン戦でいよいよ2017年シーズン後半戦の幕が開くBTCCイギリス・ツーリングカー選手権。前半5つのラウンドを終え15戦を消化したシリーズは、これまで5人の勝者と14人の表彰台経験者を輩出。タイトル争いは、ランキング9位からの大逆転となった2016年以上の大混戦が予想される。
ディフェンディング・チャンピオンであり、2016年後半戦開幕時にはランキング9位につけ、大逆転劇の立役者となったチーム・ダイナミクスのゴードン・シェドン(ホンダ・シビック・タイプR)は、今季前半戦から好調を維持して188点を稼ぎポイントランキング首位。BTCCとしては30年ぶりとなる選手権3連覇を狙っている。
シェドンから11ポイント差でその背後につけるのは、昨年もランク2位で折り返した名門ウェスト・サリー・レーシング(WSR)のロブ・コラードと、今季からチームメイトとなったベテラン、コリン・ターキントンのワークスBMW勢。FRマシンのBMW125i Mスポーツは、今季からバイエルンとBMW UKのサポートを得て戦闘力が向上。とくにターキントンのマシン開発能力には定評があり、昨年同時期の比較でも大幅な獲得ポイント上昇を果たしている。
その後方、ランキング4番手につけるのは、ターキントンの古巣であり彼の開発熟成したマシンを駆って大躍進を遂げたヤングスター、スバル・チームBMRのアシュリー・サットン(スバル・レヴォーグGT)で、シェドンに20ポイント差の好位置をキープしている。
2016年にBTCCデビューを果たしたサットンは、今季前半戦終了間際の2ラウンドで3勝を挙げ、レヴォーグのドライビングを完全にマスターしたかのように見え、20ポイント差が1ラウンドで引っ繰り返せる差でしかないことを考えれば、その勢いに対し「今季は彼のシーズン」と予見する関係者も多い。
このサマーブレイクの間、7月初旬にスネッタートンで開催された2日間のBTCC合同テストでは、初日最速タイムをマークしたユーロテック・レーシング・ホンダのジャック・ゴフのタイムを、エイドリアン・フラックス・スバル・レーシングのマシンが更新。2日間の全体ベストを叩き出す好調ぶりを示している。