決勝レースは、3番手をキープして始まった。後ろからハイペースでレイホールが追い上げる。3度4度とサイド・バイ・サイドとなり場内は大盛り上がり。琢磨もそう簡単に前は譲らなかった。だがマシンの仕上がりはレイホールの方が一枚上だったか、15周目に順位が入れ替わり、琢磨はその翌周にピットインした。
だが、ピットでタイヤの交換に時間がかかりポジションを落として、8番手となる。前を行くエリオ・カストロネベスにも追いつけど、なかなか攻略のチャンスは訪れず、42周目に2度目のピットイン。コースに戻っても再びカストロネベスが立ちはだかった。
琢磨にチャンスが訪れたのは、エド・ジョーンズのスピンでイエローコーションになった後だ。幸いにも3度目のピットインを終えており、トロントの二の舞は避けられたが、イエローが開けるとレッドタイヤの琢磨は猛追を始める。リスタート直後にヒンチクリフ、そしてロッシとかわして5番手に浮上した。
残りは20周を切り、前を行くパジェノーとの差はなかなか詰まらない。レースがほぼこう着したかたちでレースは90周目のチェッカーとなった。トップ5に入ったのはデトロイト以来で、ランキングも7位をキープした。
トロント、そしてミド・オハイオと2連勝したジョセフ・ニューガーデンがランキングのトップに立ち、インディカー・シリーズは乱戦模様になってきた。
「今日はレイホールとバトルしている間にペンスキーの2台に逃げられてしまいましたね。ピットでちょっと時間がかかってしまったのが残念でしたが、最後のペースカー明けには3台抜けましたし、アンドレッティのチーム全体でも良いレースができたと思います。予選3番手からの5位なので手放しでは喜べませんが、バトルをしての5位なので良かったと思います」
このレース後帰国する琢磨は、内閣総理大臣顕彰授与式にのぞむ。
「大変光栄なことですし、たくさんの皆さんが応援してくれたおかげだと思っています。モータースポーツ界にとっても初めてですし、他のメジャーなスポーツと同じ評価をしていただけたので、本当にうれしいですね。日本に戻るのが楽しみです」
授与式は8月4日に首相官邸で行われる予定だ。